家を建てるにあたっては、柱や梁、土台にどのような材を採用するかは重要な検討項目の一つです。国産の杉や桧を採用したいと希望しても「オプションです」とか、「高くなりますよ」と言われて諦めた方も多いのではないでしょうか。
木造住宅(木造軸組工法)の約60%の住宅に集成材が採用されており、集成材の多くは欧州や北米からの輸入材が使われています。
しかし、木造住宅の建築費のうち、構造材(羽柄材を含む)が占める割合は加工費を含めても10%前後、木をふんだんに使った住宅でも20%までは掛からないと言われています。集成材から国産材に変更したとしても5%前後の増額ですので、「国産材は高い」とのイメージが一人歩きしているのかもしれません。
国産材は自生の木を切り出しているのではなく、林業家が50年~100年の時を掛けて育てた人工林から産出されています。日本各地から産出される国産材は同じ樹種であってもその特徴は異なります。イチゴの「とちおとめ」や「あまおう」、お米の「こしひかり」や「あきたこまち」など、イチゴやお米に多くのブランドがあるように国産材も地域の気候や土壌、独自の施業により作られたブランド材が多数あります。
第一回目は、きめ細やかな年輪、淡紅色の美しい色艶、独特の香りの高級ブランド材として有名な「吉野杉」に注目したいと思います。