吉野杉の産地
吉野杉の産地は、奈良県南部の吉野村、川上村、黒滝村などの吉野川源流付近です。
この地域は急峻な地形が続き稲作には不向きですが、海抜1000m付近に比較的ゆるやかな地形があり、年間雨量は2000mm以上、年間平均気温14度、冬季の年間積雪量30㎝以下と林木の生育に最適な条件がそろっています。
さらに土壌は秩父古生層でリン酸カリ、ケイ酸塩類に富み、保水と透水性が極めて良好であるため、杉の育成に大変に適した環境です。
この地域の気候は冬は寒いのですが、夏は暑く雨量も多く木の成長が早い地域です。
木材は密度が高いほど強くなる傾向にあり、年輪の幅が狭い木がより強度が高いと言われていますので、手を掛けなければ年輪の幅が広い材が産出される地域であったかもしれません。
吉野杉の品質は自然環境だけではなく、林業技術が早くに発達し、先人の努力の積み重ねにより作られたものです。