2026年6月に住宅産業新聞社が発表した「2025年度 大手ハウスメーカー・ランキング」をもとに、戸建住宅の販売戸数を家づくりの会社選びにどう活かせるかを解説します。
戸建住宅の販売戸数で見ると、積水ハウスと住友林業が8,000戸台で並び、積水化学工業(セキスイハイム)がこれに続き、パナソニック ホームズ、ミサワホーム、トヨタホームも上位に入ります。
「販売戸数が多い=作り慣れていて安心」というイメージには、正しい面があります。一方でその数字を分解すると、会社ごとの得意分野が見えてきます。
それは、自分の理想に合う会社を見極める手がかりになります。
数年でどう変わってきたか
戸建住宅の販売戸数は、各社とも緩やかに減少する傾向が続いています。
目を引くのは、上位各社の差が縮まっていることです。戸建市場全体が縮小するなかで、現在は積水ハウス、住友林業、積水化学工業(セキスイハイム)がほぼ同じレンジで並ぶ状況になっています。

各社の線がそろって右肩下がりになっていることから、特定の会社が落ち込んだというより、市場全体が縮んでいることが読み取れます。その背景には戸建市場そのものの縮小があります。
資材価格や人件費の上昇で建築費が上がり、マイホームの総額がこの数年で高騰しました。
総額が膨らめば、計画を見直す動きが出てきます。戸建戸数の減少は、こうした環境の変化を映していると考えられます。
そのなかで、一社だけ動きが違うのが住友林業です。
今回のランキングにおいて、戸建住宅の販売戸数で前年を上回ったのは、大手のなかで住友林業だけでした。
同社は木造の注文住宅を主力とし、デザイン性や品質の高さで評価されてきた会社です。建築費の上昇によって住宅取得のハードルが高まるなかでも支持を集めていることが、今回の数字にも表れているのかもしれません。
「総販売戸数」と「戸建」は別物
販売戸数を見る上で、必ず押さえておきたい点があります。総販売戸数と戸建の戸数は、別物だということです。
総販売戸数で見ると、首位は大和ハウス工業です。ただしこの数字には、アパートやマンションが含まれています。大和ハウスの総販売戸数は3万戸を超えますが、そのうち戸建は5,000戸ほどで、残りの大半はアパートやマンションが占めています。
そのため、戸建住宅の販売戸数に絞ると、顔ぶれは大きく変わります。総販売数では上位に入らない住友林業や積水化学工業(セキスイハイム)が、積水ハウスと並んでトップ集団を形成しています。
戸建ての需要が縮むなかでも、大手各社はアパートやマンション、分譲・建売住宅など幅広い事業を展開しています。そのため、総販売戸数の大きさは、その会社が注文住宅をどれだけ建てているかを表すものではありません。
注文住宅を検討するなら、見るべきは総戸数ではなく「戸建て」の数値です。
戸数を分解すると、その会社の「得意」が見えてくる
さらに戸建ての戸数には、注文住宅と分譲・建売住宅の両方が含まれています。
「戸建てをたくさん建てている会社」も、その中身が注文住宅中心なのか、分譲・建売住宅を含めての数字なのかで、意味が変わってきます。たとえば住友林業や積水ハウスは、国内の戸建てを注文住宅中心に展開し、大和ハウスは戸建てのなかで分譲住宅の比重が大きく、注文住宅から分譲住宅へと領域を広げてきた会社として知られています。
同じ戸建戸数でも、注文住宅で積み上げた数字か、分譲を含めた数字かで、会社の姿は違って見えてきます。
この違いは、会社選びの手がかりになります。
例えば注文住宅を検討しているなら、その会社が戸建住宅をどのような形で供給しているのかを見ると特徴が見えてきます。
一方で、大手ハウスメーカーの分譲住宅も有力な選択肢です。スケールメリットを活かした商品開発や品質管理が行われており、ハウスメーカーならではの安心感やブランド力を重視する人に向いています。
ランキングは入口、決め手は「自分に合うか」
販売戸数の多さが映す「作り慣れ」や「供給体制の厚み」は、安心材料の一つになります。
ただし、それと「自分に合うかどうか」は別の話です。多くの家を建てている会社が、自分の建てたい家を得意としているとは限りません。
販売戸数ランキングは、それぞれの会社の規模と、どんな家を中心に建てているかをつかむ入口として使うのが向いています。
ブランド認知度や顧客満足度、坪単価といった別のデータと組み合わせると、会社の姿がさらに立体的に見えてくるでしょう。
ハウスメーカーの販売戸数ランキング(戸建住宅)
| 順位 | 会社名 | 戸建 販売戸数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 1 | 積水ハウス | 8,159 | △4.6 |
| 2 | 住友林業 | 8,105 | +2.3 |
| 3 | 積水化学工業(セキスイハイム) | 7,670 | △3.6 |
| 4 | 大和ハウス工業 | 4,867 | △3.9 |
| 5 | 旭化成ホームズ(ヘーベルハウス) | 4,824 | △8.9 |
| 6 | ミサワホーム | 3,642 | △11.1 |
| 7 | パナソニック ホームズ | 3,045 | △7.0 |
| 8 | トヨタホーム | 2,726 | △7.1 |
| 9 | ヤマダホームズ | 2,706 | △2.5 |
| 10 | 三井ホーム | 1,699 | △10.3 |
出典:住宅産業新聞社「2025年度 大手ハウスメーカー・ランキング」(2026年6月)。戸建住宅の販売戸数と前年度増減率。△はマイナス。戸建の販売戸数には、会社により注文住宅のほか分譲住宅・建て替えなどを含む。
2026/07/03加筆修正(2025年度のランキングを追記)



