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ハウスメーカーの流れとスケジュール

ハウスメーカーの打合せの流れとスケジュールは、「工業化(プレハブ化)」と「大量生産」という特徴に現れ、工務店や建築家と比較すると、同じ工法であれば最も計画期間の短い依頼先です。

参考→工務店で建てる場合
参考→設計事務所で建てる場合

(1)プランの提案

ハウスメーカーの場合、営業担当者、または設計担当者がお客様の要望をヒアリングした後、1週間~2週間で最初のプランが提案されます。

あらかじめ使用する部材の規格が決まっていますので、その規格の中でプランを練ることになります。逆に言うと、これだけ短期間のうちにプランニングが可能なのも、ハウスメーカーが部材の規格化をしているからこそ可能なことです。

最初のプラン提案後も、ほとんど1週間以内で修正プランが提案されます。プランを修正するやりとりを3回~4回繰り返し、約1ヶ月~2ヶ月で基本プランが決まります。最初のプラン提案から約1ヶ月~2ヶ月で基本プランの合意に至るケースが多いのも、部材を規格化しているために「これ以上は構造的に限界」というラインが存在するからです。

(2)仕様の確認

お客様が何も注文を付けなければ、ハウスメーカーが設定している標準仕様をもとに仕様が説明されます。

「仕様」と言うのは、住宅を構成する部資材やその建築方法です。

住宅には数万点の部資材が使われますので、本来であれば、これらを決めて行くプロセスが必要です。しかし、ハウスメーカーではあらかじめ標準仕様が設定されていますので、誤解を恐れずに言うと、何も決めなくても明確に仕様を説明することができます。これから建てる住宅を明確にイメージしやすいのは、ハウスメーカーのメリットでもあります。

仕様はプレゼンボードやパース等を使って説明されますので、要望があれば見積りに盛り込んでもらいましょう。

(3)見積りの提示と申込み

ハウスメーカーでは、ひとつひとつの部資材単位で積算をする必要はありません。図面を描くCAD(設計システム)と部資材の複合単価がインプットされた積算システムが連動していますので、基本プランさえ決まれば正確な見積りを提示することが可能です。

ハウスメーカーとの家づくりでは、「見積りを提示する=依頼の意思を確認する」ことを意味します。見積りの提示と同時に、条件面の調整と契約前の意思確認が行われるのが一般的です。

契約前の意思確認は、「申込書」や「確認書」等の書面を交わし、請負契約までに100万円~200万円の申込金(預り金)を受け渡すのが一般的です。

(4)請負契約の締結

申込書を交わし、申込金(預り金)の受け渡しが確認できると、ハウスメーカーは請負契約書の作成に取り掛かります。

それまでは平面図、立面図程度の図面で打合せが進みますが、請負契約書にはこれまで提示されなかった基礎伏図、断面図、展開図、設備図、仕様書等の図面類の他、見積り書や契約約款等が添付されます。

最初のヒアリングから請負契約に至るまでの期間は、一般的に3ヶ月前後といわれています。一方、工務店では3ヶ月~4ヶ月、建築家では最低6ヶ月~7ヶ月を要しますので、ハウスメーカーでは比較的早いペースで話が進んでいきます。

(5)詳細設計

請負契約を結ぶと、次は詳細設計に進みます。ハウスメーカーの場合、あらかじめ規格や仕様が決まっていますので、細かい仕様の追加や変更は請負契約を結んだ後、という流れになります。

多くの場合、営業担当者以外のスタッフが加わるのはこの段階です。契約後も営業担当者が窓口にはなるものの、実務では営業担当者から設計担当者やコーディネーターにバトンが渡されます。

打合せは、まず先に構造躯体に関わる部分から進めます。
営業担当者から引き継いだ内容をもとに、設計担当者やインテリアコーディネーターが仕様や設備の確認、カラーコーディネートの検討を進めます。この間、請負契約から追加や変更があった箇所は、追加変更工事の見積り書の提示を受けます。

詳細設計の期間は、おおむね1ヶ月~2ヶ月前後ですが、これも基本的な仕様があらかじめ決まっているからできることです。最後に着工時期や竣工時期のスケジュールを確認し、工事の着手に臨みます。

(6)着工から引渡しまで

最終的な図面が完成し、追加変更工事の内容が決まると、いよいよ着工です。工事中の打合せは、工事担当者が窓口になります。

着工時には専門業者が紹介され、工程および施工上の確認作業を行います。工事担当者は、現場の管理はもちろん、近隣への挨拶、地鎮祭、着工、上棟、検査の立ち合い等を行います。

ハウスメーカーの工事担当者は、複数の現場を同時に担当するのが一般的ですが、これもハウスメーカーの住宅の仕様が規格化されているからできることです。

竣工に近づくと、ハウスメーカー内の社内検査の後、施主の立ち合いの下で施主検査を行い、補修個所があれば手直しをして引渡しに臨みます。

引渡し時には、工事担当者から設備機器の取り扱い説明やメンテナンスの説明を受けます。工事金額の残金を支払ったら、鍵の引渡しを受け、引渡しが完了します。

(7)アフターメンテナンス

メンテナンスは、アフターメンテナンスの担当者が担当します。ハウスメーカーによっても異なりますが、アフターメンテナンスは別会社が担当する場合もあります。

一般的には各ハウスメーカーが定める「アフターメンテナンス基準」があり、これに基づいて初期不良、建て付けの調整などが行われます。

保証内容については、ハウスメーカー毎の規定によってことなりますが、定期点検時の補修工事を行うことで保証期間を延長できる場合があるので、アフターメンテナンス担当者から十分に説明を受けておくことが重要です。