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火災保険

火災保険とは、火事や台風、水漏れなどによる損害を保証する保険です。

日本は木造家屋が多いため、いざというときには火災の被害が大きく、失火者に全ての責任を負わせるのは難しいとの理由から、重大な過失がない限りは失火者に責任を問うことができないと「失火責任法」により定められています。つまり、もらい火(類焼)によって家が燃えてしまった場合でも、自分の家は自分の保険で再建しなくてはなりません。

かつての金融機関では、住宅が火災などによって滅失した場合でも住宅ローンの残金を回収できるように、火災保険の保険金請求権等に質権*を設定することが融資条件に加えられていました。

*質権とは、債権者が担保として債務者から預かり、返済のない場合には担保から優先して返済を受けられる担保物権。

しかし最近では、質権の設定が不要になり、火災保険の加入も任意となっているため、施主にとっては選択肢の自由度が高まった一方、施主自身でリスク管理をする必要性が高まりました。

火災保険料は保険金額と保険料率、保険期間、地域によって算出され、長期の火災保険料を一括で支払うケースでは、木造住宅で10年の保証期間の場合(東京都、保険金額2,000万円の場合)10~20万円程度の保険料が必要となります。

1年契約などの短期契約を結ぶ場合には、長期の火災保険料を一括で支払う場合に比べ、その都度の支払い額は少なくなります。初期の出費を抑えることを重視するのか、それともトータルの出費を少なくすることを重視するのかによっても判断が分かれるところです。

しかし、近年多発している自然災害による保険金の支払いが急増したことを受け、2022年10月に2つの改定があります。

1.火災保険料の改定(実質値上げ)
2.10年を超える火災保険の新規契約が廃止(最長契約期間が5年となる)

損害保険料率算出機構は、2021年6月に火災保険料の目安となる「参考純率」を全国平均で10.9%引き上げると発表しました。三大都市圏+改定率が最大及び最小となった地域の改定率は次の表のとおりです。
出典:火災保険参考純率改定のご案内(損害保険料率算出機構

築5年未満
火災保険の参考純率_5年未満

築10年以上
火災保険_10年以上

また、火災保険は建物の評価額に対して保険金が支払われるため、15年後、20年後に新築当時と同じ金額の保険金は支払われません。

火災保険の保険金だけでは、再建築の資金をまかなえないことがあるため、再建築の資金を基準として保証する「価格協定付き火災保険」を採用したり、火災保険に加えて「家財保険」を追加しておくことも考えられます。

見落とされがちな火災保険ですが、保険会社から提案された保険の内容をそのまま鵜呑みにするのではなく、今回の改定を機に内容をきちんと確認し、補償内容の見直しを行なったり、相見積もりを取ったりして、万が一に備えましょう。