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木のある暮らし ~京都北山丸太~

木のある暮らし ~京都北山丸太~

北山丸太ができるまで

北山丸太は美しい床柱をつくるため、生育中の幹にプラスチック製の当て木を巻き付け、2~3年掛けて木肌に凸凹の絞り模様をつけます。

人造絞り巻き付け状況
その後、伐採された北山杉の皮をむき天日や機械で乾燥させた後、丸太の表面を光沢を引き出すため、水圧やたわし状のもので磨きます。この光沢を出すために磨く作業により、家の構造を支える材木とは異なり、床の間などに使うための化粧柱に生まれ変わります。

昔は北山杉の産地、京都市北区中川にある「菩提の滝」の滝つぼで採取したきめ細やかな砂をこすりつけて女たちが磨いたそうです。男たちが植林から約30年掛けて山で育て切り出した北山杉を、女たちが磨いて床柱として産出する生業が成り立っていました。

4.磨き作業

長く大切につかう

昨年、大阪府堺市の登美丘高等学校のバブリーダンスが注目されましたが、バブル時代には、北山丸太も高値で取引され飛ぶように売れたようです。しかしながらバブル経済崩壊以降の高級木材の使用が大幅に減少したことや、和室から洋室へと日本の住宅様式の変化の波に北山丸太もされされています。

国産材は柱や梁の構造材に採用するだけではありません。

北山丸太のように洋室にもピッタリの化粧柱がたくさんあります。家を建てるお一人お一人が少しだけ意識を日本の山々に向けていただくだけで、防げる災害もあるのではないかと感じています。

また昔の人は、家中の柱をヌカやオカラでピカピカに磨き上げていました。一つ一つのことに手をかけ長く大切に使っていると、お子様も柱にシールを貼ったり、いたずら書きはできないものです。

共働きの方が増え、日々忙しい私たちにとって家中の柱を磨くなど手間をかける時間や余裕はありません。しかしながら、リビングのシンボル柱を磨くなどを通じて物や家を大切にする心を伝えていくことはできるのではないでしょうか。