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【15】仮住まいへの旅立ち前夜

「次回は解体の下見の様子を」と前回書きましたが、その前に。
6月14日の引越しを目前にして、我が家は旅立ち準備の真っ最中です。今回は、実家を空にしていく数日間の記録をお届けします。

自分の部屋だけ、荷造りが終わらない

毎日ひと箱ずつ。そう書いていた前回から、事態はもう少し切迫しています。
家族で手分けして、時に引越し業者さんの手を借りながら事前の荷造りを進めてきたはずなのに、気づけば各部屋が片付いていくなか、自分の部屋だけ荷造りが終わっていません。
人の荷物の整理には冷静に「これは手放そう」と言えるのに、いざ自分のものを前にすると、判断の手が止まる。断捨離は他人のものほど進むのだと、身をもって知りました。

それに、捨てているはずなのに、物は一向に減りません。正確には、家具や食器が姿を消した分、段ボール箱という別のかたまりに置き換わっていくのです。廊下に積まれた段ボール箱の間を通り抜けるとき、本当にこの家を出るのか、とまだ実感がわきません。

仮住まいの落とし穴は、インフラにあった

建替えが終わるまでの仮住まいは、実家の近くにある築50年の木造賃貸アパートです。電気・ガス・水道の開始手続きを済ませ、賃貸に入る人なら誰もが気にする防犯対策も準備しました。古い物件なので、窓の防犯シートや補助錠など、原状回復を気にせず設置できるものを購入しました。入居前にひと通り整えておくと安心です。

ところが、準備中、思わぬ落とし穴がありました。
現在使っているWi-Fiが、まさかの利用エリア外だったのです。実家からはほんの数メートルしか離れていませんが、移った先では利用ができず、解約するしかないとのことでした。
モバイル回線やホームルーターは提供エリアが細かく決まっていて、わずかな距離でも圏外になることがあると、初めて知りました。賃貸も、特にインターネット回線に入っていないということだったので、慌てて代替手段を探している最中です。

今日、インターネットを利用しない家庭は殆どないと思います。私も家族も、仕事に、プライベートに、インターネットを利用しない日はないので、今回の利用エリア外は想定外のトラブルでした。

仮住まいを決めたら、通信環境を必ず事前に確認する……これは声を大にしてお伝えしたい教訓になりました。

大型家具は倉庫へ。ただし「カビ」に注意

母の花嫁道具である桐箪笥や、アップライトピアノなどの大型家具は、建替えのあいだ倉庫に預けることにしました。
ここでひとつ思い出したのが、以前、引越し業者さんに聞いた話です。

「倉庫によってはほぼ野外と同じ環境なので、カビが出ることもあります」。

家財を預けるトランクルームには、大きく分けて屋内型と屋外型があります。
空調や除湿が効いた屋内型は湿気やカビに強い一方、費用が掛かります。
屋外型のコンテナは手頃ですが、温度や湿度の管理がない分、長期保管ではカビのリスクが上がります。

建て替え中の保管期間は、数か月から一年に及ぶこともあります。預ける先の倉庫について、空調の有無、保管期間と費用、そして万一に備えた動産保険の有無等を、しっかり確認しておきたいところです。
我が家も、預け先の倉庫の仕様は、真っ先に確認しました。

動物病院の上に、暮らしがあった

我が家は1階が父の動物病院、その上が住まいという店舗併用住宅でした。
5月31日、父は30年以上続けた動物病院を閉じました。細かな道具は残っていますが、大型の診療台、処置台などの器具が運び出された病院を眺めていると、家を出るのとはまた別の感慨がこみ上げてきます。
家族の暮らしと、父の仕事場。その両方が、一つの建物のなかにありました。

電動診察台の跡。ここで約35年間、多くの動物たちを診察してきました。

建て替え後は、1階の病院スペースがなくなり、ごく普通の住宅になります。
ちなみに動物病院の設備や医療廃棄物は、通常の家財整理と別に専門業者への依頼が必要になりますので、私は口を出さず、獣医師である父に任せました。

病院は閉じますが、父は獣医師を辞めるわけではないそうです。このたび東京都の「訪問ドクター」の申請が通り、これからは訪問獣医師として活動を続けるとのこと。

病院という場所は手放しても、仕事は形を変えても残していくと聞いて、少しホッとしました。
空っぽになっていく1階を見ながら、終わりではなく、移り変わりなのだと思えたのは救いでした。

見積もりと向き合いながら、前へ

さて、旅立ちの準備と並行して、もうひとつ進めているのが、建て替えの見積もりの確認です。
太陽光パネルの設置、ショールームでの設備選定、外壁の変更まで、我が家はかなり多くの要望を重ねてきました。
だからこそ、当初の見積もりと、要望をすべて反映した見積もりとで、どの程度の差が出ているのかを、一つ一つ確認しています。
「いつの間にかこんな金額に……」という事態を避けるためにも、変更を重ねた方ほど、差分の確認はこまめにしておくことをお勧めします。

6月20日には、工務店の担当者が解体の下見にやってきます。
果たして解体費はいくらになるのか、そして無事に仮住まいへの引越しは完了するのか、次回お伝えできると思います。

【過去のコラムはこちらから】

【1】実家の建替えを決めた日
【2】家族の本音と、現実との折り合い
【3】ザ・ハウスの工務店マッチングサービスに申し込んだ日
【4】工務店マッチングサービス、二回目の電話で見えてきたもの
【5】工務店との面談開始(前編)
【6】工務店との面談開始(後編)
【7】工務店の候補を検討する
【8】工務店を最終決定する
【9】契約書にサインする日
【10】コーディネーターとして、施主として
【11】好みを伝え続けた先に、形があった
【12】体感して、確かめて、決めていく
【13】水回り見積もりと仮住まい準備、同時進行の日々
【14】請負契約を前にして、今やっておくこと


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