風趣を添える住まいの折々

2018年8月30日

変化する寛ぎ方

川村 利恵

ザ・ハウス マッチングコーディネーター

1969年、埼玉県出身。住宅業界歴20年。アトリエ系設計事務所、不動産会社の企画部門に勤務の後、2007年に(株)ザ・ハウスのマッチングコーディネータに就任。二級建築士と福祉住環境コーディネータの資格を持ち、特に建築家との家づくりに関して豊富な実績がある。これまで796組の相談実績を有し、195邸の家づくりに携わる(2017年10月末現在)。

筆者

川村 利恵

「あなたが一番寛げる場所はどこですか?」

この質問をすると、多くの人はリビングや寝室、あるいはお風呂など、家の内のいずれかの場所を指す人が多いのではないでしょうか。

家は人にとって寛げる癒しの場所であることはいつの時代も変わりませんが、寛ぐときの内と外との距離感が時代とともに変化し、家の作り方にも変化をもたらしているように思います。

内から外へ

以前は「本当に寛げるのは家族と我が家にいる時だけ」と、時代とともに核家族が増えたことと並行して、外の視線、音、気配をシャットアウトして、家族だけで落ち着く場所、寛ぐ場所を室内に設えました。

最近では寛ぎの場所が内だけにとどまらず外にも拡がりはじめ、光や風、音や気配を積極的に日常生活に取り込むようになりました。

例えば、家族団らんをするリビング、ダイニングに広いデッキが繋がっていたり、庭にセカンドリビングを作ったり。アウターリビングと言うこともあります。

そして、庭は「愛でるもの」から「身を置く寛ぎの場所」に変わってきました。

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人の心理として、「閉ざせばいずれ開きたくなる」という思考がもたらしている現象かもしれません。アウトドア志向が日常生活にも取り入れられ、寛ぎ方にも変化をもたらしたと言えるかもしれません。

寛ぎを共有する時代へ

外の自然を楽しむ方法と言えば、代表的なのはキャンプや河原でのBBQです。
しかし、キャンプをする、テントを張る、BBQを楽しむなどは、器材の調達や準備も大変で、アウトドア愛好家の限定された枠組みで楽しまれていました。

最近多く見られる広いデッキやアウターリビングのある家では、自分の家族だけではなく、友人や近隣の家族を招いて、外の自然を満喫しながら庭やテラスで寛ぐ様子を目にします。
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インテリアショップでは、小さいけれどおしゃれなテントが店頭に並び人気です。キャンプ場に設置するテントというよりは、インテリア要素の強いものですが、ベランダにおしゃれなテントを設置して、寛ぐ場所をベランダにまで延長させ、昼夜問わず寛ぎたい時間にそこで本を読んだりお酒を飲むことができます。

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