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今回は私の経験上、建替えを考え始めた方に知っていただきたい「建替えのポイント」をお伝えしますね。
なぜ、建替えを思い立ちましたか?
注文住宅を建てる場合には、お土地を購入して新築を建てる場合と、現在住んでいる家を解体して新築を建てる「建替え」の計画があります。
お土地を購入してしまうと家づくりの計画を途中で中止することは簡単にはできませんが、建替えの場合、工事請負契約を締結するまでは、いつでも計画を中止することができます。既にマイホームに住んでいますので、無理やり計画を進める必要もありません。
そのことを意識しているかはともかく・・・。
いつでも中止できるから、気軽に聞いてみようと安易にスタートしていませんか?
本来自分たちが建てたい家や、家づくりの流れなども検討がままならないままに進めていくと、よくある「キャンペーン(値引き)」にお得感を感じて営業マンの言われるまま、取り敢えずハンコを押したなんてことになりかねません。
●ご相談例1・・・夫婦で話をしていない
なんとなく新しい家を住みたいと思い立ち、まだご夫婦の間でもよく話し合っていない状況で住宅展示場に訪問されたH様。
なんとなく入った1社目のモデルハウスでハウスメーカーの営業マンから今月のキャンペーン(値引き)を説明され、次回、ハンコをもって来て欲しいと説明を受け、気持ちが盛り上がり同意したけれど、「こんなに簡単に決めても良いのか」不安になり、ご相談をいただきました。
家づくりを進めていく過程でようやく自分達の要望が明確になった後、そのハウスメーカーでは「実現が難しい」ことが判明するかもしれません。
●ご相談例2・・・親子で本音を言い合っていない
お父様がお住まいの家を建替え、二世帯住宅を計画されたF様。
親世帯(お父様)と子世帯(夫婦と子供2人)の2世帯住宅を長きにわたって計画を進めてこられましたが、結局、各世帯の考え方(間取り、資金計画、依頼先の選び方など)の違いが埋まらず、子世帯はマンションを購入し、建替えは中止になりました。
当初はお互いにメリットを感じてご計画を進めておられましたが、間取りの打合せが進むにつれて、限られた建物面積の中で希望する広さが確保できないことや、資金の負担割合も思っていたのと違うことが判明しました。
言いにくいけれど避けては通れない本音を事前にお互いが理解できていれば、計画自体が持ち上がらなかったかもしれませんね。その後のご家族にしこりが残らなければと心配していました。
家づくりは、当初思いもしなかった問題が起こったりします。
出来るだけその様な問題を避けたり、スムーズに解決するために、「コンセプトづくり」が重要です。
「家づくりのコンセプト」を考える
「お客様にどんな家を建てたいですか?」と質問すると、「普通の家で良いです」と回答をいただくことがあります。
では、普通とは?
マンションで育った方、戸建てで過ごした方、地方出身の方など人によって環境や背景が異なりますので、Aさんの普通とBさんの普通は同じではありません。さらに申し上げると、自分が考える理想の家が普通なのか普通ではないのか、ご自身では分からないのではないでしょうか。
家を建てる依頼先も様々な特徴をもった依頼先があり、依頼先ごとに自分たちの家づくりを普通と思っていますので、お互い違った価値観での普通を求めてしまうと、結局はうまくいきません。
したがって、自分たちの家づくりのコンセプトを充分に検討し、それにあった依頼先を見つけることが家づくりの成功のポイントです。コンセプトに合わない依頼先と家づくりを進めても決してうまくいきません。
家づくりのコンセプトとは?
「いつまでに」、「どんな家を」、「いくらで」、「どこに」、「だれと」この5つの内容を決めるのがコンセプトづくりです。この内容をご家族で、みんなでしっかり検討する事によって、どんな住まい方をしたいか、どんな家を建てたいかがはっきりしてきます。