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配信に強い家|回線・配線・防音・熱対策の設計

安定した配信環境をつくりたい

今回ご紹介するのは、ゲーム配信とeスポーツ活動を本格的に行いたいと考えたS様(20代後半・東京都)の事例です。
求めていたのは、

・ラグのない通信環境
・外に音を漏らさない防音
・長時間稼働でも熱がこもらない空間

という、配信者ならではの3つのテーマ。しかし、検討していた土地は住宅密集地で、隣家との距離が近く、さらに光回線の引き込み位置が限られている状況。「ただ部屋をつくるだけでは、配信環境として成立しない」という課題が見えてきました。

後悔しないために知っておきたい3つのこと

1.通信の安定性と有線LANの引き回し
2.二重壁・吸音材など防音構造の考え方
3.機器熱を逃がす排気・換気計画の重要性

通信・音・熱が生む配信部屋計画のジレンマ

S様は、FPSゲームの配信を中心に活動しており、

・PC2台(配信用+ゲーム用)
・大型モニター3枚
・オーディオインターフェース
・照明機材

など、熱と電力を多く消費する機器を使用。
検討していた土地は南北に細長く、

・南側は日当たりが強く、機器熱がこもりやすい
・北側は隣家が近く、音漏れリスクが高い

という環境でした。
当初は「広い1室をスタジオ化する」案もありましたが、

・複数人での収録時に音が混ざる
・深夜帯の配信で家族の生活音と干渉する
・熱がこもりやすく、冷房効率が悪い

などの理由から、現実的ではありませんでした。さらに、光回線の引き込み位置が玄関側に限定されていたため、「どこに配信部屋を置くか」で配線計画が大きく変わるという問題もありました。

防音個室2室か、共有スタジオ化か検討した選択肢は2つ

A:防音個室を2室つくる
メリット:
・個別に配信できる
・音漏れリスクが低い
・熱管理がしやすい

デメリット:
・建築コストが上がる
・部屋ごとに配線計画が必要

B:共有スタジオ化する
メリット:
・広い空間で撮影・収録がしやすい
・機材をまとめて管理できる

デメリット:
・音の混在が起きやすい
・深夜帯の配信に不向き
・熱がこもりやすい

S様は当初「大きなスタジオ」に憧れがありましたが、「配信頻度と生活リズムを考えると、防音個室が現実的」と判断されました。

マッチングコーディネータの視点!

これまでの相談で多いのは、「防音だけ考えて、通信や熱の計画を忘れていた」という後悔です。
配信部屋は“音を閉じ込める”だけでは成立しません。工務店へ要望を伝えるときは、次の3点を整理すると提案の精度が大きく上がります。

・配信スタイル(ゲーム/雑談/収録/複数人)を具体的に伝えること
 →必要な防音レベルや部屋の広さが変わる

・通信の優先順位を明確にすること
 →「有線LANを何本引くか」「どこにルーターを置くか」が判断しやすくなる

・熱対策の考え方を伝えること
 →排気ファンを使いたいのか、空調で管理したいのかで工務店の得意分野が変わる

これらを整理して伝えることで、
「防音に強い工務店」
「配線計画が得意な工務店」
など、テーマに合った工務店をマッチングしやすくなります。

S様が選んだのは「防音個室+共有バックヤード」

最終的にS様は、

・北側に防音個室を2室配置
・玄関側から有線LANを直接引き込めるよう配線ルートを確保
・個室の背面に“機材バックヤード”を設け、排気ファンで熱を逃がす構造に

これにより、深夜帯の配信でも家族に迷惑をかけず、熱と音をコントロールしながら、安定した通信環境を維持できる“ラグらない家”が実現しました。

“設備”だけでなく“配信動線”を描くことが大事

配信部屋の計画は、単に防音や配線を整えるだけでは不十分です。

「どんな配信を、どんな時間帯に、どんな機材で行うのか」

これを整理することで、土地の形状や生活パターン、将来の機材増加まで含めた最適な配信環境が見えてきます。

配信に強い家は、活動の質を大きく左右する空間です。通信・音・熱の3つをバランスよく計画することで、毎日の配信がもっと快適になります。

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