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補助金を賢く使って予算を最適化したい
注文住宅の建築費が高騰する中、国からの補助金制度を賢く利用したいと考えるご家庭は増えています。
今回ご紹介するのは、「子育てエコホーム」等の省エネ補助金を活用しつつ、予算オーバーを防ぎたいと考えた大阪府大阪市のS様ご夫婦(30代・未就学児2人)の事例です。
当初から「せっかく建てるなら性能の良い家にして補助金も満額もらいたい」という希望をお持ちでした。
しかし、補助金の要件を満たすための仕様アップによる増額と、実際の補助金額のバランスに悩み、どのレベルの性能を目指すべきか判断がつかなくなっていました。
後悔しないために知っておきたい3つのこと
1.補助金要件(断熱等級・一次エネ消費量)と建築コストの相関関係
2.ハイスペック(創エネ)とコスト圧縮のメリット・デメリット
3.申請期限と工務店の実務能力の重要性
「断熱等級」と「コスト」の板挟みジレンマ
S様(大阪市・30代ご夫婦・子ども2人)は、「快適で光熱費の負担が少ない家にしたい」という想いから断熱性能や補助金制度について熱心に調べ、まずは ZEH住宅(太陽光による創エネが前提) も視野に入れて工務店に相談されました。
しかし、太陽光パネルを含むZEH住宅は、補助金(ZEH枠は上限80万円)を活用しても全体費用が大きく上昇し、「補助金のために数百万円を追加で払うのは本末転倒ではないか」という疑問が生まれました。
一方で、長期優良住宅として補助金(上限100万円)を狙う場合、太陽光は必須ではないため、「断熱性能をどこまで上げるか」「設備投資とのバランスをどう取るか」という新たな検討軸が見えてきました。
さらに、補助金は予算上限に達すると早期終了する可能性があるため、「仕様の検討に時間をかけすぎると申請に間に合わなくなるかもしれない」という不安もあり、性能・コスト・申請時期の三つ巴でS様の判断は難しくなっていました。
等級を上げるか、設備を抑えるか? 判断軸の再整理
S様が比較したポイントは、“等級そのもの”ではなく 「性能の向上にかかる費用」と「補助金の効果」。
A:ZEH住宅(断熱等級5〜6+太陽光パネル)
メリット:
・創エネ込みで一次エネ削減を達成しやすい
・ZEH枠の補助金(上限80万円)を受け取りやすい
・光熱費の削減効果が大きい
デメリット:
・太陽光パネルなど初期費用が大きく増える
・補助金額より増額分が大きくなるケースが多い
B:長期優良住宅仕様(断熱性能を確保しつつ太陽光は見送り)
メリット:
・太陽光なしでも補助金(上限100万円)の対象になる
・初期費用を抑えつつ性能を確保できる
・設備に依存しないためメンテナンス負担が少ない
デメリット:
・ZEHほどの光熱費削減効果は期待しにくい
マッチングコーディネータの視点!
これまでの相談で多いのは、「補助金ありきで工務店を選んでしまい、本来やりたかった間取りやデザインが疎かになった」という後悔です。また、補助金申請に不慣れな工務店に依頼してしまい、手続きミスで受給できなかったというトラブルも耳にします。工務店選びや要望整理の際は、以下の点に注意してください。
「標準仕様」でどの等級かを確認する わざわざ追加費用を払って等級を上げるのではなく、標準仕様で既に「等級6」をクリアしている工務店を選ぶと、コストパフォーマンスが良くなります。
申請手続きの「実績」と「事務手数料」を聞く 補助金申請は煩雑です。「申請はやったことがあるか」「代行費用はいくらか」を契約前に確認しましょう。事務手数料が高額だと、補助金のメリットが薄れます。
トータル予算の中で優先順位を決めてから伝える 「絶対に補助金が欲しい」と伝えると、工務店は安全策で過剰なスペックを提案しがちです。「予算〇〇万円の中で、補助金活用も含めて最もコスパが良い提案をしてほしい」と伝えることで、提案の精度がぐっと上がります。
S様が選んだのは「長期優良住宅仕様(断熱性能を確保しつつ太陽光は見送り)
」
当初は「せっかく建てるならZEH」と考えていたS様ですが、太陽光の初期投資を踏まえて “回収に何年かかるか” を冷静に試算した結果、長期優良住宅として高い断熱性能を確保する方が総額・快適性・リスクのバランスが最も合理的であると判断されました。
太陽光がなくても長期優良住宅の認定を取得することで、補助金(子育てエコホーム等)の対象となる要件を満たしつつ、税制優遇もしっかり受ける戦略です。 これにより、過剰な設備投資を避け、浮いた予算を内装や家具に回すことで、満足度の高い家づくりを実現されました。
※本記事はS様の計画当時の情報をもとにしています。補助金制度は毎年内容が変わるため、最新の制度はご検討時点の情報をご確認ください。

