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生活リズムが違っても快適|光・音を分ける間取り

就寝中の光と音のストレスを遮断したい

夫婦の生活リズムが真逆というご家庭は珍しくありません。
今回ご紹介するのは、早寝の奥様と夜型のご主人というS様ご夫婦(福岡県・30代)の事例です。
「寝ている人を起こさない」「起きている人が気を遣いすぎない」──この2つを両立するため、寝室のゾーニングや遮光・遮音の工夫が大きなテーマになりました。

後悔しないために知っておきたい3つのこと

1.寝室ゾーニングと生活動線の関係
2.寝室完全分離と近接配置+遮光/防音強化のメリット・デメリット
3.暗所動線・局所換気・部分的な防音の工夫

生活リズムの違いが生む寝室計画のジレンマ

S様ご夫婦は、奥様が22時就寝・4時起床、ご主人は深夜1時就寝・9時起床という真逆の生活リズム。
「寝室は一緒がいいけれど、光や音で相手を起こしたくない」という思いが共通していました。

しかし、検討していた間取りは寝室のすぐ隣に洗面室とリビングがあり、夜型のご主人が帰宅してからの生活音がどうしても響く可能性がありました。また、奥様が就寝後、ご主人が寝室に入る際の“入室時の光”も大きなストレス要因に。

「同じ寝室を使いたい」という気持ちと、「光・音を遮断したい」という現実の間で、どこまで分けるかが大きな悩みになりました。

寝室完全分離か、共有近接+遮光/防音強化か検討した選択肢は2つ

A:寝室を完全に分離する
メリット:生活リズムの違いによるストレスが最小化。音・光の干渉がほぼゼロ。
デメリット:寝室が2つ必要になり、面積・コストが増える。夫婦の距離感が変わる可能性も。

B:寝室は共有しつつ、近接空間の遮光・防音を強化
メリット:夫婦で同じ寝室を使える。面積効率が良い。
デメリット:計画次第では光・音が残る可能性があるため、工夫が必須。

S様は「寝室は共有したい」という希望が強く、完全分離ではなく、共有寝室を前提に“光と音をどう分けるか”を重視する方向になりました。

マッチングコーディネータの視点!

これまでの相談で多いのは、
「寝室の場所だけ決めて、生活リズムの違いによる“光・音の動線”を考えていなかった」
という後悔です。

例えば、

・夜型の人が帰宅してから寝室に入るまでの動線に光が漏れる
・早朝に起きる人の身支度音が寝室に響く
・換気扇や扉の開閉音が意外と大きい

など、生活の“ちょっとした音・光”が積み重なってストレスになります。
工務店へ要望を伝えるときは、次の3つを整理しておくと提案の精度が大きく上がります。

・どちらが「夜型/早寝」なのか、生活時間帯を具体的に伝える
・光を避けたい場所、音を避けたい時間帯を明確にする
・寝室だけでなく、洗面・廊下・クローゼットなど“生活動線”もセットで考える

マッチングコーディネータとしては、生活リズムの違いを前提に、詳細にヒヤリングを提案が得意な工務店」
を選ぶことが重要です。
単に“防音できます”ではなく、生活動線の設計経験があるかどうかが大きな差になります。

S様が選んだのは「寝室近接+暗所動線+局所防音」

最終的にS様は、寝室は共有しつつ、

・寝室前に“暗所前室”をつくる
・クローゼットを緩衝帯として配置
・洗面室側に局所的な防音措置を追加

という計画を選ばれました。
これにより、

・夜型のご主人が帰宅しても光が寝室に漏れない
・早朝の奥様の身支度音が寝室に響きにくい
・生活動線が交差しない

という、ストレスの少ない住まいが実現しました。

“寝室”だけでなく“生活動線”を描くことが大事

生活リズムが異なる夫婦の住まいづくりでは、寝室の位置だけでなく、
「どの時間帯に、誰が、どこを通るのか」
を考えることがとても重要です。

光・音のストレスは、間取りの工夫で大きく減らせます。
生活パターンや将来の変化まで含めて計画すれば、毎日の快適さが大きく変わります。