2月のインスタライブ
毎月開催しているインスタライブ、2月は建築家 小野 喜規さんの自邸にお邪魔しました。
アトリエ件自宅として8年前に設計されたスマートな佇まいのご自宅。実は二世帯住宅で、自邸のお隣が母屋になっており、奥で繋がっているのだとか。そういった経緯もあり、なるべく元々あるものを生かしながら設計されたそうです。
小野さん「道路から見た時の主役は紅葉にしたいと思ったので、建物は出しゃばらないようにしようと思いました」
元々の植物を活かしたことにより、玄関は夏には木漏れ日が広がるそうです。
ちょっと腰掛けたくなる窓
味わいのある木にはめられた、天井まで続くガラスが印象的な玄関扉。ドアハンドルは真鍮で段々とくすんでくる風合いが、側に生える古木と調和して、新旧を繋いでいるような佇まいです。
玄関を入るとアトリエスペースが広がっています。設計の打ち合わせ時はこのスペースで行われるそう。
小野さん「住宅の設計をしていますから、ダイニングスペースの雰囲気を取り入れた、こじんまりとした設計としました。」
スタッフ川村が注目したのは、床から低い位置にある深さのある窓。この部屋に限らず、家全体で窓辺のスペースを楽しくしたい、とお考えになったそう。西に面したこの窓は午後は日差しが強くなるので、大きくせず、座ってちょうどいいくらいの高さにされたとのこと。ちょっと腰掛けたくなる窓。なんだか素敵ですね。
小野さん「大事にしているエッセンスがあって、北欧の言葉で「ヒュッケ」っていうキーワードがあるんです。デンマークの言葉らしいんですけど、居心地がいいとか、ほっこりする、安心する、そういう気分をひっくるめた言葉なんですね。シャープでカッコよくというよりはそういうい居心地の良さをいつも大事にしたいと思って、この部屋の窓もそういう想いで作りました。」
西日を楽しむ
窓の上の部分にはロールスクリーンが見えない位置に設置してあります。西日が入ってくるときにはロールスクリーンを下ろし、そこにぱぁっと木の影が映り、それが部屋の中にも広がるそう。
小野さん「西日って天敵みたいなイメージがありますけど、むしろそれを楽しもうと思い描きました」
部屋を見渡すと、一角にデスクコーナーがありました。デスクコーナーの前窓は先程の窓とは一転、格子状の木がデザインされています。この窓からは隣の家の景色が映るため、距離感を作ろうとあまり外を伺えない形にされたそうです。
窓の上には飾り棚、側には壁掛けの花瓶。窓を楽しく、という思いがこちらでも感じられます。