住宅とIoT

2018年7月3日

IoTと住宅に寄せる期待

生活者に寄り添ったオープンネットワークを

矢野 暁

ザ・ハウス マッチングコーディネーター

1969年、神奈川県出身。 ハウスメーカー、建築プロデュース会社を経て、(株)ザ・ハウスのマッチングコーディネータに就任。住宅、不動産業界に23年間従事し、住宅会社選びやトラブル解決等の相談実績は2500組を超える。「建築知識」、「建築・法律トラブルらくらく回避マニュアル」等の実務者向け書籍の寄稿も多数。

筆者

矢野 暁

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IoTのニュースは聞くけれど

仕事柄、3~4紙の住宅業界の専門紙に目を通していますが、特に今回取り上げているIoTは、ここ1年位の間に業界専門紙で話題に上っているキーワードです。

紙面には国を挙げての政策、数々の新サービスのリリースや「○○年までに○万戸のIoT住宅を普及」、「IoTで新たな生活提案を進める」といった賑やかな言葉が躍っています。

しかし一方で、家づくりの現場でお客様からIoTの話を伺うことはまずありません。最近読んだ業界専門紙によると、あるハウスメーカーがIoTを使った健康管理システムを顧客に体験してもらったところ、「楽しかった」という評価は多かったものの、「自宅にも欲しい」という評価は少なかったそうです。

国や業界が旗を振ったり、各メーカーからも革新的な製品が登場するなど、IoTの勢いを感じるニュースは増えましたが、消費者の関心はさほど高まっていないようです。

IoT製品やサービスを消費者の立場で見た時に「ぜひこれは利用したい!」と思えるものが少ない、ということもあるのではないかと思います。

「あったら便利かもしれないけど、まあ、いらないよね…」と感じるものだったり、ガジェットやITに関心が高い人だけが関心を持つ製品だったりと、日常生活の中にある現実的な問題を大きなインパクトで解消してくれそうなものはなかなか見当りません。

住宅業界のIoTに関しても同様に、HEMSやスマートハウスのようなエネルギー関連のサービスは目立つものの、日常生活の困りごとや課題が解消されたり、負担が軽減されるのを実感できるものは、残念ながらまだ少ない印象があります。

私たちの生活がどのように変わるのかイメージがわかない、またはイメージがわいたとしても実生活から飛躍したものに思えてしまう、といった人も多いのではないでしょうか。