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固定観念を取り払った先に見えるモノ

家をつくる際に思い描く夢の家は人それぞれです。

誰しも生まれた場所があり、育った家があり、関わった人がいます。

自分の家を作るときには、これまでの暮らしてきた環境が前提となって「こうしたい」「こうはしたくない」という要望がつくられています。

その中には、自分の経験から学んだこと以外にも、「天井は高ければ高いほどいい家」「リビングは広ければ広いほど家族が集まる」のように、多くの人がそうだから自分もそうしたい、と無意識に刷り込まれている要素も少なくありません。

居心地のいいヒューマンスケール(身体尺度)

こういった固定観念を取り払うことができると、実は自分にとっての等身大、心身ともに感じる豊かさが手に入る、とこの仕事を通じてたびたび感じます。

例えば、天井の高さは、低い場所がないと高さを感じることはできませんし、高いだけだと体積だけが大きくなり、熱効率も悪くなります。

広いリビングもただ広いだけでは人は落ち着きません。

例えば、「体育館に入って好きな場所に座ってください」と伝えると、ほどんどの人は無意識に壁際にひっそり座ります。広いだけの場所で、真ん中に座っても落ち着かないことを多くの人が感じているのです。

人にはそれぞれ居心地いいと思えるヒューマンスケール(身体尺度)が養われているのだと思います。

建築家と家づくりをされたお客様も、キッチンのサイズについて「こじんまりして適度な広さ。すべてが計算し尽くされた距離感で妻が料理しやすいと大喜びで、本当に楽しそうに料理しています。」とおっしゃっています。

続きを読みたい方はこちら→「居場所を楽しむ繋がりのある家」

家の間取りや形は、人と同じでなくていい、むしろ違っていたほうがその人にとっては居心地のいい、身体にフィットしている証拠とも言えます。

固定観念をはずしていく

要望の優先順位も人それぞれです。

私の場合、広い家はお掃除が大変なのでできるだけ自分スケールでコンパクトにしたいと思います。

木は大好きですが、落ち葉や虫がつかない手入れ、定期的な剪定も必要なのでとても大変に感じてしまいます。むしろ借景で十分ですし、室内がモクモクになるくらい植木鉢を置いて育てたい派です。