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結露対策

湿気は目に見えにくい水蒸気です。大気中にも含まれていますし、人の呼吸や生活の中からも排出されます。

水蒸気は、気温の高い方から低い方へと流れます。そして空気中で処理できない水分が水滴となって表れるのが結露です。

結露には「表面結露」と「躯体内結露」があり、これら両方の対策が必要となります。

表面結露

屋外が寒くなり気温が低くなると、窓ガラスやアルミサッシの内側、壁の内側部分に結露することが多くなります。こうした目に見えるところで起こる結露を表面結露と言います。

家の中に大きな温度差が生じないようにすることが、ひとつの秘訣です。

これは、階段室や廊下など気温の低い場所があると、そこで結露が起こりやすくなります。できれば温度差が生じるような細かい間仕切りをせず、家全体で大きな風通しができるようにするとよいでしょう。

表面結露も発生をそのまま放置すると、雨漏りと同じように居室や押入の壁の内側にカビが生えたり、木材が腐ったりします。表面結露を防止するためには、湿度を低くし、換気を心がけるとともに、室内温度を必要以上に高くしないことが大切です。

窓ガラスやサッシ、トイレのタンクや配管などに結露を見つけたときは、こまめに拭き取りましょう。

洗濯物の水分

洗濯物が乾く時に放出される水分も結露の原因になるので、できるだけ屋外に干しましょう。乾燥機を使う場合や室内に干す場合は、換気扇を回したり窓を開けて水蒸気を屋外に放出してください。

加湿器による水蒸気

加湿器から水蒸気の出るタイプのものは、湿度の上がりすぎに気をつけましょう。室内の湿気が多くなると結露の原因になりますので、換気口を開け、または一時的に窓を開けて時々新鮮な空気と入れ替えてください。

暖房器具から発生する水分

都市ガスやプロパンガスを燃料とする暖房器具や、燃焼ガスを室内に放出するタイプの暖房器具は大量の水蒸気を発生します。結露が気になる場合、できれば水分を出さない暖房器具を選ぶのがよいでしょう。

浴室の湿気

入浴は多量の水蒸気を発生させますので、浴室の換気は十分に行いましょう。入浴の後は浴槽にフタをして、浴室のドアをきちんと閉め、湿気を他の部屋に移さないようにし、必ず換気扇を回しましょう。浴室で発生する湿気は、換気扇だけでの解消は難しいので、使用後には水気を拭き取るとよいでしょう。

キッチンの換気

調理中にも、炊事の鍋などから出る水蒸気のほか、ガスの燃焼によっても多量の水分が発生します。調理中には必ず換気するよう心がけてください。

躯体内結露

建物の躯体内部(床下、壁内、天井裏など)で起こる結露が、「躯体内結露」です。この結露は、表面結露のように常に目で確かめることができません。

外気温が低い場合、居室の気温より躯体内部の方が温度が低いため、居室から躯体内部に向けて空気が流れます。この場合、壁と天井の取り次ぎ部分などのわずかな隙間でも、空気はじわじわと流れていきます。

木造などではその結露によって材木の水分が増え、構造体の弱体化につながります。それがもっと増すと木材を腐らせる「腐朽菌」が発生してしまいます。

躯体内結露の対策としては、内部結露を防ぐこともさることながら、家を建てるときからの対策も必要となります。

家を建てるときの注意

躯体内部に、低温となる部分を極力つくらないようにしましょう。断熱材は隙間ができないように施工し、また外壁から打たれている釘などが外から冷やされて、内部にその低温を伝えないように釘の周辺にも断熱材を隙間なく施しましょう。

水蒸気が多く発生する場所は浴室ですが、その水蒸気は換気扇だけでは処理が追いつきません。最近では防水性に優れたユニットバスも普及していますが、点検口などのわずかな隙間からも水蒸気は逃げていきます。

その対策として、浴室は下地の防湿施工が重要となります。浴室そのものをラッピングするような防湿施工をし、浴室から出た水蒸気が、壁内部や天井裏などに逃げていかないようにしましょう。