\ プロの話を聞いてみよう! /無料で家づくりを相談する

長期優良住宅

※この記事は2023年1月現在の情報をもとにしています。最新の情報は、「一般社団法人 住宅性能評価・表示協会」ウェブサイトでご確認ください。

長期優良住宅とは

長期優良住宅は、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅の建築・維持保全に関する計画を「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づいて大きく分けて以下A~Eの5つの措置が講じられている住宅を認定するもので、2009年6月より新築を対象とした認定が開始されました。

2011年4月からは既存住宅の増築・改築を対象とした認定も開始され、さらに2022年 10 月には既存住宅について建築行為を伴わない認定が開始されました。

A.長期に使用するための構造及び設備を有していること
B.居住環境等への配慮を行っていること
C.一定面積以上の住戸面積を有していること
D.維持保全の期間、方法を定めていること
E.自然災害への配慮を行っていること

住宅の性能について各種の基準が設けられているため、施主にとっては住宅の性能を担保する「ものさし」としても有効と考えられています。一方で、一般的な住宅よりも高い認定基準をクリアするためにはある程度の工事費のアップは否めず、申請手続きに伴う費用も別途生じます。

長期優良住宅認定制度は、「一戸建ての住宅」「共同住宅等」のどちらも利用でき、耐震性、劣化対策、省エネルギー性、維持管理・更新の容易性、可変性、バリアフリー性、居住環境、住居保全計画、災害配慮などの認定基準を満たすことが必要です。

長期優良住宅(新築)の認定基準

長期優良住宅認定制度は、「一戸建ての住宅」「共同住宅等」のどちらも利用でき、耐震性、劣化対策、省エネルギー性、維持管理・更新の容易性、可変性、バリアフリー性、居住環境、住居保全計画、災害配慮などの認定基準を満たすことが必要です。

長期優良住宅(新築)の認定基準[概要]

2022年10月の主な認定基準改正のポイント

2022年10月に認定基準の改正が行われました。主なポイントは次のとおりです。

・耐震性(階数が2以下の木造建築物等で壁量計算による場合)

耐震等級 (倒壊等防止)等級2または等級3  耐震等級 (倒壊等防止)等級3

・省エネルギー性

断熱等性能等級4 → 断熱等性能等級5かつ一次エネルギー消費量等級6

・住戸面積

共同住宅等 55㎡以上  共同住宅等 40㎡以上

支援制度

長期優良住宅の認定を受けた新築住宅において、各制度の適用を受ける条件を満たした場合、補助金、住宅ローンの金利引き下げ、所得税(住宅ローン減税、投資型減税)などの税制優遇、地震保険料の割引等を受けることができます。

融資の金利引き下げ

住宅金融支援機構「フラット35」で次の優遇商品に申し込むことができます。

■フラット35S(金利Aプラン)及び維持保全型:借入金利を当初5年間0.5%、6年目~10年目 0.25%引き下げ

■金利引継特約付き「フラット35」:住宅売却の際に、借入金利のままで購入者へ住宅ローンの返済を引き継ぐことが可能
■フラット50:返済期間が50年間まで可能。住宅売却時に買主へ住宅ローン引継ぎ可能。

※参考:住宅金融支援機構「フラット35」

税の特別措置

一般住宅に比べて税の特例措置が拡充されています。

所得税

住宅ローン減税と投資型減税は、いずれかの選択適用で、併用は不可となります。

■住宅ローン減税:
【2022年~2023年まで入居年の場合】
控除対象限度額3000万円から5000万円に引き上げ(控除率 0.7%、控除期間13年間、最大控除額455万円)

【2024年~2025年まで入居年の場合】
控除対象限度額2000万円から4500万円に引き上げ(控除率 0.7%、控除期間13年間、最大控除額409.5万円)

■投資型減税:
【2022年1月1日~2023年12月31日までに入居した者が対象】
標準的な性能強化費用相当額(住宅の構造に関わらず45,300円に床面積を乗じて得た金額)の10%相当額(上限:650万円)を、その年の所得税額から控除、控除しきれない金額がある場合には、翌年分の所得税額から控除できる。

※参考:国土交通省「認定長期優良住宅に対する税の特例

登録免許税

【2024年3月31日までに取得した者が対象】
所有権保存登記等に係る税率が一般住宅特例より引き下げられ、所有権保存登記0.1%、所有権移転登記0.2%となります。

不動産所得税

【2024年3月31日までに新築された住宅が対象】
新築住宅に係る不動産取得税について、課税標準からの控除額が一般住宅特例より100万円増額されます。
一般住宅:1200万円 → 長期優良住宅:1300万円

固定資産税

【2024年3月31日までに新築された住宅が対象】
新築住宅に係る固定資産税の減額措置の適用期間が、戸建て住宅においては一般住宅より2年延長され、5年となります。

地震保険料の割引き

次のいずれかに該当する場合、住宅の耐震性に応じた保険料の割引を受けることが可能です。
・耐震等級1(割引率)10%
・耐震等級2(割引率)30%
・耐震等級3(割引率)50%
・免震建築物(割引率)50%

認定手続きの流れ

申請は着工前までに行う必要があり、申請手続きは住宅会社が代理で行っています。
1.登録住宅性能評価機関に技術的審査を依頼
2.審査後、適合証の交付
3.所管行政庁へ認定申請
4.審査後、認定通知書の交付
5.着工

工事完了時には、原則として認定を受けた計画に基づいて工事が完了した旨の報告が必要となります。

維持保全計画に基づく点検

工事完了後に次の内容を満たす維持保全計画書に基づき点検を行い、適切に点検・修繕・改良を行うこと、さらにその内容の記録を作成し保存することが求められます。
・維持保全の期間は、30年以上
・点検時期の間隔は10年以内
・地震・台風時に臨時点検を実施
・点検の結果を踏まえ、必要に応じて調査、修繕又は改良を実施
・住宅の劣化状況に応じて内容を見直し

長期優良住宅のデメリットと注意点

・申請に時間がかかる。
一般住宅と比べて認定取得のために追加で1ケ月前後の日数がかかります。
・申請に費用がかかる。
図面作製費や、技術的審査料、認定料など、30万円前後の費用が別途かかります。
・建築費が増える。
一般住宅に比べて建築費は0.5%~20%程度コストアップといわれています。
住宅会社の標準仕様から長期優良住宅へ変更するためにかかる費用の差額が少ないほど
長期優良住宅の基準に近い仕様の家といえます。
・完成後の手間が増える
住宅が完成した後もメンテナンスを行い、その記録を保存する必要があります。