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ハウスメーカーの選び方

自分にあったハウスメーカーを選ぶには、どうしたらいいでしょうか?

プランと見積りだけを横一線に比べてハウスメーカーを選んでいる方が少なくありませんが、これはあまりお勧めできません。

本来であれば、どなたにも「大きなルーフテラスが欲しい」、「保証が充実している会社で建てたい」、「好みの内装にしたい」等の希望があるはずなのに、プランと見積りだけでは、結局の所、「価格の安さ」だけで選んだことにしかなりません。

本来の目的をおざなりにしないためにも、プランや見積りの提案を受ける前に、そのハウスメーカーの特徴が計画内容にマッチしているかどうかを検討するプロセスが必要です。

そこでお勧めなのが、1社1社の見積りを横一線に比べるのではなく、「逆三角形を描くイメージで、何段階かのフィルターにかけていく」ように、ハウスメーカーを絞っていく方法です。

参考→工務店の選び方
参考→設計事務所の選び方

第1のフィルター「構造と工法」

まず最初のフィルターは、「構造と工法」です。

ご計画内容に「構造と工法」がマッチしているかどうかは、ハウスメーカーを選ぶ際の最も重要な指標です。

家づくりの際に多くの方が着目するコスト、保証内容、工期、プランの差は、すべて「構造と工法」の特徴から生じると言っても過言ではありません。

と言うのも、ハウスメーカーでは「構造と工法」が厳密に規格化されているため、計画に顕著な違いが現れやすいからです。しかも、それは「工務店」とは比べ物にならないほどはっきりとした形で現れます。

例えば、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造といった「構造」の違い、また、一般的に普及している工法をベースにしているか、プレハブ化された工業化住宅のようにクローズドの工法を採用しているか、といった「工法」の違いは、コストの高低、保証期間の長短、工期の長短に現れます。

また、敷地の形、大きさ、道路の幅などの敷地条件によっては、工法の特徴がデメリットにしかならないケースもあり、その場合は希望の間取りができなかったり、著しくコストがアップしてしまうことがあります。

第2のフィルター「標準仕様」

次のフィルターは、「標準仕様」です。

ハウスメーカーでは、それぞれの会社毎に「多くの人に当てはまるであろう仕様」、いわゆる「標準仕様」が設定されています。標準仕様に設定された部資材はスケールメリットを発揮できるため、市場価格よりもリーズナブルな価格でお客様に提供されます。

つまり、そのハウスメーカーの標準仕様で家を建てた時が、お客様にとって最もコストパフォーマンスがいい結果になります。

ご希望とそのハウスメーカーの標準仕様がマッチしているほど、コストパフォーマンスが高い家づくりができますが、標準仕様とマッチしていない部分が多いと、がくんとコストがアップしてしまうことになります。

第3のフィルター「営業マン」

次のフィルターは、「営業マン」です。

営業マンは、家づくり全体の成否を左右する存在と考えてください。

「ハウスメーカー」では、請負契約を結んでから、細かい仕様の打合せが行われます。しかも役割毎に分業されているため、請負契約までに打ち合わせた内容は、その後、設計→インテリア→工事→アフターに引き継がれていきます。もし一番川上の営業マンとの打合せに不備があれば、設計、インテリア、工事の段階にまで影響が及んでしまいます。

さらに「ハウスメーカー」の家づくりは、生産システムが厳格に規定されているため、設計、工事段階では担当者の差が生じにくい構造ですが、営業段階については属人的な部分が多く、担当者の力量によって差が生じやすい構造と言えます。

「ハウスメーカー」との家づくりで、営業マンに伝えたことが設計に反映されていなかった、契約した後に金額がアップした、契約した後に希望が叶わないことが分かった、という声がよく聞かれるのはそのためです。

最後に確認!「プランと見積り」

そして、ようやくここで「プランと見積り」です。

これまでのフィルターで確認した結果が、そのまま具体的なプランの提案内容や見積りに現れるはずです。そういう意味では、プランと見積りは、それ以前で検討してきたことを確認するプロセスとも言えます。

ちなみに、量産する仕組みで成り立つ「ハウスメーカー」では、1棟の値引き額よりも総量の受注量を重視するケースがあるので、状況によっては見積り額からの値引きも期待できます。

「ハウスメーカー」は最終的な判断を迫る局面で積極的な営業が行われることが多いため、プランと見積りを依頼する前の検討が不十分だと、当初の目的よりも「価格の安さ」に目が奪われがちです。「逆三角形のふるいにかけて、1社に絞り込んでいくイメージ」を持つのがお勧めです。