外にいるかのような屋内空間
リビングに入ると、とても風通しがよく室内の空気が澄んでいる感じが画面越しからも伝わってきます。
リビングで個性を放っているコンクリートの壁を発見。ランダムな溝をつけてリブ状になっています。
西久保さん:「ペランとしたコンクリートの打ち放しは圧迫感が出てしまうので、溝をつけることで陰影がでるような施工をほどこしました。」
その壁は外構にも使用されていて、外構にはその溝につた状の植物が生き生きと育っていました。
西久保さん:「植物を少しでも植えられるスペースを確保しました。緑がスクリーンになって暮らしを守ってくれて、街を歩く人にとってもほっとできるスペースになります」
どんな場所にもグリーンが少しあるだけで、気持ちが安らぐ体験はなさったことがある方は多いのではないでしょうか。設計段階からグリーンの配置を考えるのは大切だと思いました。
西久保さん「コロナ禍でステイホームでも、こういうお家に住んでいると緑も側にあるし、街の声も聞こえるし、風通しもよいのであまり苦ではないと聞きます。外にいるかのような屋内空間です。」
西久保さんの考える家づくりのポイント
お家を一周回ったあと、家づくりのポイントを2つ教えてくださいました。
ポイント① 『高い低い・小さい大きい・暗い明るい』を使って空間に奥行きを持たせる
西久保さん:「高い天井のそばに低い天井をつくることで、横にある天井高が数字以上に高く感じることができます。
高い低いだけではなくて、家の中に、あえて小さい場所と普通の場所も組み合わせていくことで、体験として解放されていきますよ。
色も同じで、全部が全部明るくするのではなく、暗い部分も組み合わせることで外の風景が印象的になると思います。」
ポイント② 住み始めた後、寛容になれる家づくりをする
西久保さん:(和紙で出来た壁面をご説明の際)ご家族と一緒にビリビリ和紙を破いて壁に貼っていきました。子供たちも参加できます。
プロに任せることも大事だけれど、家族みんなで手を加える場所を必ず作るのが大事だと思います。剥がれたり汚れたりしたときも、また直せばいいよと寛容になれます。
家って自分たちで手を加えていいんだって思った瞬間に自分達も楽になれると思いますよ」