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夢のドラムスタジオ付セカンドハウス! Part.1

「常に新たなことにチャレンジし続ける人は、毎日同じことを繰り返す人より幸福度が高い」という研究結果をアメリカの大学が出したとニュースで読んだことがあります。

若い頃は好奇心旺盛で、それに付き合う体力もありました。しかし、年を重ねると、そんな体力も、そして新たなことに出会おうとする気力もなくなってしまいます。

そんな中、ご自身の趣味であるドラムを思いっきり叩く環境を求めてセカンドハウスの建築に踏み出した都内在住のイラストレーター、Eさん。ザ・ハウスが提供する建築家マッチングサービス を利用し、夢を叶えるパートナーとなる建築家と出会い、その一歩を踏み出したところです。

そんなEさんの”ドラムハウス”完成までの道のりに密着し、3回にわたってお伝えしていきたいと思います。

※本稿のイラストは全てEさんのオリジナル作品です。

音と振動に魅了され、どっぷりはまった生ドラム

-趣味としてドラムを始めたということですが、何故ドラムだったのでしょうか?

Eさん:カッコいいと思ったからです。

なぜカッコいいと思ったのかについてですが、特定のドラマーが好きとか、このドラムのフレーズが好きとか具体的な対象があったわけではありません。

ドラムを叩いてみたいと憧れを抱いたのもわりと歳を重ねてからです。

なぜでしょうか?改めて考えるに、もともとビートやリズムを感じるのが好きな人間なんじゃないかと思います。

バスドラのドンドンドンドン、あの音と振動にすごくワクワクするタイプです。

ちなみに生ドラム限定です。電子ドラムはまた別の楽器と思っています。

-いつ頃からドラムを始めたのですか?

Eさん:下の子が大学入学したころ、4年半くらい前です。

-ドラムにはまったきっかけは何だったのでしょうか?

Eさん:ゼロからのスタートなので教わることを素直に聞いていればそれなりに上達したことでしょうか。まだまだ欲もなく自分がどれだけできていないのかさえも気づかない、幸せな時間でしたね。

もちろんドラムセットを持っているわけでもなく、自宅で代わりの何かを叩いて練習したり、自宅以外の練習場所もかなり限られていました。

”果たして続けられるのだろうか、もし無理だったら仕方がない。試しに1年間やってみよう”という心構えでしたが楽しくて結果どっぷりはまってしまいました。

生ドラムの音は大好き、でも迷惑となってしまうジレンマに直面

- ドラムスタジオを持ちたいとの夢を抱きはじめたのはいつ頃からですか。

Eさん:ドラムを習い始めて1年くらい経った頃からでしょうか。

“もっと練習したいなあ、ふっと思い立った時に叩きたいなあ”と、まさに夢のようなことばかり考えるようになりました。

住宅の密集した地域や集合住宅では楽器の音は迷惑な音として認定されます。

ましてドラムの爆音を出すなどありえません。練習用パッドや代わりの何かを叩くことすらはばかられます。

だからこそ電子楽器のサイレント機能を使ったり、スタジオを利用して日常生活と演奏の住み分けをするのは当然のことと思います。

でも、なにか納得できないモヤモヤが・・・

音楽を聴いたり演奏したりするのは本質的には素敵なこと、みんなが好きなことのはずです。

でもそこにいたるまでの、もっと練習したい気持ちや音は悪いもの、迷惑なものになってしまうなんて悲しいなと。

もし私の夢が実現したら、同じような気持ちを持った仲間とシェアできるんじゃないか、そうならいいなと考え始めたのも同じ頃です。

また私が歳をとって体が動かなくなっても、代わりにここを使いたいという人は必ずいるだろうとも思います。

-実際に「ドラムスタジオを作ろう!」と決断されたきっかけや時期はいつですか?

Eさん:なにしろ夢のようなことなのでどこから何を調べればよいのか、右往左往して無駄なこともたくさんしましたし、コロナ禍で気持ちが冷えてしばらく何も手につかない時期もありました。

数年間いくつも売地なども見てまわりましたが、ネット上でこの物件を見つけた日になんとなく行ってみようかくらいの気持ちで赴いたのが今回の土地でした。

” うん、好きかも。”と思いました。

すべてこちらの希望をかなえてくれる土地などないことはわかっていたので、どこに目をつぶるかが問題です。ギリギリセーフなんじゃないかと思えました。

この機を逃すと死に際にやり残したことリストに載るな、と購入を決断したのが2021年の4月です。

家族が満足している現在の自宅を改装しようとは思わなかった。

-ご家族は最初から快諾されていたのでしょうか?また、ドラムはご夫婦共通のご趣味でしたか?

Eさん:ありがたいことに反対されたことは一度もありません。

ただ当初はあまりに具体性のない雲を掴むようなことばかり聞かされて、夫もたぶん実現しないだろういつか諦めるだろうと思っていたでしょう。

わたしたち夫婦はそれぞれが楽しいと思うことが全然違いますが、できる範囲でお互いの領域に顔を出してみるくらいがいいと私は思っています。

とはいえ、今回の計画には夫も随分と参加してもらっていますし助けられています。

-ご自宅に防音設備を導入するのではなく、別にスタジオを持つことにした理由は何ですか?

Eさん:ドラムって手も足も全部使ってそれぞれの太鼓やシンバルがバカバカしい程ダイナミックに大きい音を出します。

ジャズとか静かな音を出すジャンルもあるでしょうが、やはり大音響でたたくジャンルが私の好みです。

そして音だけではなく振動もすごい。

我が家は集合住宅で、特にバスドラムの重低音と振動はいわゆる防音室では防ぎきれません。

防音室について調べ始めてすぐに、戸建ての地下室か、最低でも1階でなければ無理だとわかりました。

けれど引っ越してスタジオを増設するとか、スタジオ付きの新居を建てるという選択肢は早々に消えました。

それは今現在住んでいる家に家族が満足していることや、歳をとった時に便利な環境にあることが理由です。

-プロジェクトを本格化させるにあたって、ご苦労された点や不安はありましたか?

Eさん:これから多くのことを自分ひとりで判断できるか決断できるか、という不安はありました。

家を建てる、しかもその中にスタジオをつくる。そんな経験はありませんからまず誰に相談すればよいか思いつきません。

建築家や音響の専門会社にこんなちっぽけな話を聞いてもらえるのだろうか、採算が合わないと門前払いになるのではなかろうか、と臆病な気持ちにもなりました。

でもまだこの計画がかなりぼやっとしていたころにザ・ハウスさんのサイトを見つけて、建築家さんが設計した小さくて素敵な家を見たことを覚えていたのです。

相談のメールを送ったらすぐに返信くださって嬉しかったです。

それから費用の計算が難しいことも不安材料でした。

とても狭い土地にセカンドハウスとして小さなスタジオをつくる。必要最小限の居住部分がついているだけだから費用を抑えられるはず。とにかく小さいから!という気持ちでたてた目論見が、建築以前の地盤調査や改良についての知識不足もあって、計画が進む毎にどんどん外れていきかなり焦りました。

狭過ぎるゆえコストアップにつながることが多々あることも分かったのでした。

でも本当にこのことで苦労しているのは、こちらの予算に合わせてあらゆる可能性を探って解決策を見出してくださる、パートナーとなった建築家の杉浦充さんです。

いよいよプロジェクト始動!興奮と不安の中でも冷静さを失わずに向き合う覚悟。

-一緒につくるパートナー(建築家)が見つかり、最初に提案を受けた時の感想を聞かせて下さい。

Eさん:ファーストプレゼンより前に1階のスタジオと2階の居住部分のスケッチを見せていただいたときは最高にときめきました。

わぁ~これが私のスタジオか~💛

一番の願いはドラムの練習ができる場所を手に入れることなのでとにかくスタジオ重視。居住部分はあまり細かく希望を持っていませんでしたが、スケッチを見るとなんという快適そうな空間なのでしょう。

ここに座ったら描き仕事もはかどるかも!とか、それまでは封印していた思いがムクムクと沸き上がってしまいました。

またスタジオ部分は音響専門の会社につくっていただくことにもしていたので、そちらとの調整を早めにしなければと思いました。

そして迎えたファーストプレゼンでは企画案と模型を見せていただきました。

スケッチを見て浮かれまくった後に時間があったので、少しは冷静にお話が聞けたかもしれません。

普段の生活とはかけ離れて大きなものをこれまたかけ離れた金額でつくるので、うっかりすると気持ちまで大きくなって判断も誤りがちになるのではないでしょうか。

ここはひとつ慎重に考えねばという心持ちになりました。

緊張とは違うけど、少しおなかに力が入ったような感じです。

パートナーとなっていただいた建築家さんは、その点とてもクールにそして丁寧に私の疑問に答えて対応してくださいます。

これから本格的に設計監理をしていただくことになりますが、本当に心強く思っています。

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これからもEさんのドラムハウス建築を追いかけて行きます!次回以降もご期待ください。