interview

インタビュー

大学生と考える「工務店の未来」
ー付加価値で選ばれる工務店とはー

良い工務店の基準はあるの?

八谷:例えば坪単価で見積書を出している工務店があります。このような工務店の見積書は1〜3ページ程度の見積書です。一方で、柱1本から拾って積算する工務店の見積書は30〜40ページの見積書になります。詳細な見積書を作るには2、3週間かかるんですね。でも坪単価で出そうと思えば1日で出せます。人件費のかけ方が違うんです。

昔の本では坪単価で出す工務店が悪くて、詳細見積りを出す工務店が良いですよ、と言われた時期があったのですがコストパフォーマンスをよくし、低価格を実現しようと思えば坪単価で出すしかないです。

どっちが良い、悪いということではなくて、どのような家づくりを求めているのか、お客様が自分で考え、整理をして判断するのが重要です。

お客様は施主ではなくて「顧客」

渡辺さん:田舎とかにあるような、旧来型の地域に密着した工務店はどう変わっていくべきだと思いますか。

八谷:一昔前は新築、増築しようと考えると、材料は施主が購入して大工さんに支給していました。大工さんには日当で払って依頼をするという方法だったんです。この方法だと、依頼した責任を施主が持っておられました。

大工さん=工務店のイメージをお持ちの方が多いと思いますが、工務店はお客様と設計の打合せを行い、必要な材料と大工さんを含めた職人を手配し、工事中はもちろんのこと、お引き渡し後までも責任を持ちます。

地方と都会などの地域の違いはなく、お客様は昔ながらの施主ではなく、顧客であり消費者だと思って家づくりを提供しなければないらないと思います。消費者に対して確実に安心の家づくりをお届けするという責任のハードルが昔よりも高くなっていて、お客様の目、要望が厳しくなっていると感じます。

また、地域の工務店としてやっていく中で、地域を超えて家を建てる工務店としてやっていくのか、地域に根差して仕事を請け負うことを主軸とするのか、地元の材を使うことを大切にするのか、もしくは、その地域で家を建てる人を増やしていく活動なども行っていくのか。工務店のコンセプトを明確にすることも大切ですね。

渡辺さん:僕が提案としてイメージしていたのはSDGsを一つの根拠に、工務店としてのあたらしい価値を持たせられないかということです。そして実家への提案を一番の目標として、今回アイデアをいただきたいと思いお話をお伺いしました。

今日お話を伺って、「工務店」というものを全部一緒に考えてしまったなということに気づかされました。それぞれの工務店さんにあった方法があるんだなと同時に、各地域にも合った方法があるんだなと思いました。実家で考えたことを礎にして、他の地域での展開を考えるということをやっていきたいと思っています。

未来は明るい

少しでも実家の力になりたいという想いで研究課題を設定されて、それを真摯に勉強されている渡辺さんの姿に、なんだかこちらも励まされたのでした。

帰りに八谷から、地域に根差した工務店さんや、コンセプトを明確に打ち出されてお仕事をなさっている工務店さんのお名前をいっぱいメモして帰られました。次はその工務店さんに取材に行くのだそう。

皆さんも、どこの工務店さんがそういった取り組みなさっているのか気になりませんか?よかったら気軽に八谷までご連絡くださいね。