目次
在宅勤務が当たり前になった今、「夫婦でオンラインミーティングが重なり、お互いにストレス」「子どもがいるので、集中できる場所がない」という声が増えています。
今回ご紹介するのは、まさにそんな悩みを抱えていた30代のH様ご夫婦。4歳の娘さんがいる共働き家庭が、家づくりでどう課題を乗り越えたのか、リアルなエピソードを交えて詳しくご紹介します。
1. オンライン会議が重なると、家の中は“音のストレス”でいっぱい?
H様ご夫婦はIT系エンジニアとして、二人ともフルタイムで在宅勤務をされています。日々の業務の多くはオンライン会議ですが、以前住んでいたマンションでは夫婦の会議時間が頻繁に重なり、会話が筒抜けに。
ときには重要なミーティング中にお子さんの声が入り込んだり、パートナーの発言が聞こえたりしてしまい、ストレスを抱えていました。
「集中できる仕事環境がほしい」というのが、注文住宅を建てようと決めた最大の動機でした。
2. 書斎2つは難しい…家族のつながりも保ちたい悩み
ご夫婦の希望として、「個室型の書斎をそれぞれ確保したい」という思いが強かったものの、土地面積や予算を考えると難しい状況でした。
- ●完全個室の書斎を2部屋確保するのは現実的ではない
- ●リビングダイニングに仕切りを作ると、子どもがいる環境では集中できない
この板挟み状態をどう解決すべきか、ご夫婦は悩まれていました。
🟡マッチングコーディネータの視点!
これまで多くのテレワーク夫婦とお話してきて気づいたのは、「働く場所は1つに限定しない方が暮らしやすい」ということです。
H様の場合も、「完全に分ける」と「完全に共有」の間で、絶妙なバランスを取る工夫をされています。
- ●LDKには、子どもが遊ぶ姿を見守れる位置に、集中しやすい半個室型スペースを設けました。
- ●寝室の隣に、防音性を高めた小さめの書斎を設置し、オンライン会議専用スペースとして利用。
仕事の内容や時間帯によって、使うスペースを柔軟に選べるようにしたことで、家族間のストレスも軽減できました。
こうした「働く場所の使い分け」は、在宅勤務の快適さに大きく影響します。
3. 意外な盲点だったネット回線とLAN配線計画
実際に注文住宅を建てる際、多くの方が見落としがちなのが、ネット環境です。特に在宅勤務の場合、回線の安定性や速度が仕事の質に直結します。
H様邸では、間取りと同時に、LAN配線を細かく計画されました。1階と2階それぞれの作業スペースに有線LANの配線を引き込み、安定したオンラインミーティング環境を確保しています。
「打ち合わせ段階では『そこまで必要?』と思いましたが、住み始めてからその重要性を実感しました」と
ご主人は振り返ります。
まとめ|テレワーク時代の間取りは「生活の柔軟性」を意識することが重要
テレワーク夫婦が快適に暮らすためには、単純に「今の働き方」を前提にした間取りだけでは不十分です。お子さんが小さい今は、子どもを見守りながら仕事ができる空間が必要ですが、成長するにつれて求められる空間は変化していきます。また、働き方も、出社や在宅勤務の割合が変化する可能性があるでしょう。
そのため「部屋の用途を簡単に変えられる柔軟な設計」や「配線計画の拡張性」など、将来の暮らしの変化にも対応できる余白を持った家づくりが求められます。家族構成や働き方が変わっても、間取りを大きく変えずに快適に過ごせる設計を、最初から意識することをおすすめします。