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ルーフバルコニーのある住宅

ルーフバルコニー、ベランダ、ルーフテラスなど似たような呼び名がいくつかありますが、一般的には、屋根の上に設置されたバルコニー、あるいは平坦に作り、屋上として使う場所のことをルーフバルコニーと呼びます。

特に庭の確保が難しい都市部では、ルーフバルコニーにウッドデッキを敷き詰めたり、鉢や家庭菜園のプランターを置くなど、庭の代わりの役割を果たす「癒しの場所」としても人気です。

また、リビングなどに隣接したルーフバルコニーは視線が抜けるため、室内の面積をより広く、開放感を感じさせる効果もあります。

ただし、ルーフバルコニーは文字通り屋根部に付くスペースですので、常に日照や風雨に晒されます。また、切妻屋根などのように水が流れやすい勾配ではないので、防水処理をきちんとしていないと漏水の原因になります。

2000年4月には「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」が施行され、すべての新築住宅の雨水の浸入を防止する部分について、住宅供給社が10年間の瑕疵担保責任を負うことを義務付けられています。

新築、リフォームの別やルーフバルコニーの使い方、予算によっても適切な防水工事方法は異なりますが、ここでは一般的な防水処理方法をご紹介します。

ルーフバルコニーの防水処理方法

<FRP防水>

ガラス繊維シートを専用の塗料で塗布していきます。ルーフバルコニーの形状に左右されず、淵の垂直な立ち上がり部分にも対応できます。比較的軽量なので、構造への負担も軽くなります。歩行にも適しており、工期が短く、費用対効果が高いと言われています。

<ウレタン防水>

通気シートを敷き、その上にウレタン塗料を塗布していきます。比較的軽量なので、構造への負担は軽くなりますが、防水層は厚みが均一でない箇所から劣化がしやすいため、施工者の技術が性能に影響しやすいと言われています。価格はやや安価で軽歩行用に適しています。

<シート防水>

合成ゴム系のシートや塩化ビニール樹脂シートなどいくつかの種類があります。バルコニーなどの人が歩く箇所には、合成ゴムシートを接着剤で取り付けます。

<アスファルト防水>

ゴムのようなアスファルトシートを熱で溶かして下地に張り付けていきます。シート同士の密着性が高いので、広いルーフバルコニーなどではよく使われる工法です。他の防水処置に比べて耐久年数はありますが、施工が難しく、価格もやや高めです。

<金属防水>

金属防水は、他の防水と比べて揺れや地震に強いと言われています。また定期的なメンテナンスも少なくて済みますが、他の防水よりも初期費用がかかります。メーカーによっては30年の保証をしている商品もありますので、暮らし始めてからかかるメンテナンス費用も含め長期的に考えて検討するとよいでしょう。

メンテナンス

経年の劣化によって起こる防水のはがれやひび割れは漏水の原因になりますので、防水部の再塗装をするなど定期的なメンテナンスが必要です。

防水処置の方法や状況にもよりますが、10年~15年間隔でメンテナンスをした方が安心です。

また、建物の周囲に芝生や草木が多いと、枯葉や埃が雨水の排水口に詰まることがあります。
排水口が詰まってしまうと、降った雨水が排水出来ずに水が溜まり、下の住居に漏水する可能性が出てきますので、お掃除などのまめなケアも必要です。

ルーフバルコニーの面積算定

ルーフバルコニーの面積は容積率ではなく、建ぺい率に影響します。

※参考:「注文住宅のキホン/建ぺい率」

容積率に関係のある床は、原則として部屋のように壁に囲われている部分の床面積を対象としますが、ルーフバルコニーは屋根がついていても外部扱いのため、容積率の算定には影響しないのが一般的です。

一方、建ぺい率は上から見た投影面積のことを言います。多くの場合、ルーフバルコニーの直下階は壁に覆われた部屋になっていることが多いので、必然的に建ぺい率に算入されることが多くなります。
さらに、床面積算定されている壁(多くは外壁)から1メートル以上張り出している場合は、先端から1メートル引いた残りの面積が建築面積に算定されます。

なお、建築面積の算定は、計画内容によって、また指定確認検査機関や地方公共団体によっても異なるため、最終的には個別の確認が必要です。