◆ケース
依頼した建築家が海外に出張などで忙しく、現場には事務所のスタッフしか足を運ばなかったため、施工会社から工事について大事な判断を求められても即答できず、結果として予定の工程よりもずっと遅れてしまっています。
引渡しの期日が予定より大幅に遅れてしまったために、これからしばらくの間は住むところがなくホテル住まいをしなくてはいけません。
この宿泊についての費用は建築家へ請求することが可能なのでしょうか。
◆解説
お話しでは、建築家が海外出張のためスタッフしか現場に足を運ばなかったということですが、工事の遅れというのはいろいろなことからの影響が考えられます。例えば、雨が長く続いて現場の作業ができなったり、設計変更によって部材の納期が遅れてしまう、また工事のミスがあってのやり直し作業による遅れなどです。
まずは工事が遅れてしまった理由についての説明を求め、原因をはっきりさせる必要があります。このとき建築家と工務店とで意見が食い違う場合がありますので、両者に対して具体的な話を求めてください。
その上で、それが建築家、もしくは工務店による人的な影響による遅れということであれば、ホテル滞在についての費用をどうするか話合いが可能だと思います。
その際、建築家や工務店との契約書をご確認ください。使用されている契約書の内容は建築家や工務店によって異なります。この遅延による補償が契約書の中ではどのように取り決められているかをもとにお話合いを進めてみてください。