地盤調査の結果、地盤が軟弱であるなどの異常が認められた場合には、建築する住宅を支えることができる地質に改良したり、補強する地盤改良工事が必要となります。
地盤調査の結果や建物の構造、形、重量などの条件にあわせた適切な工法を選択することが大切です。
一般的な工法
工法はいろいろありますが、一般的な工法は主に3つに分類されます。
表層改良工法
軟弱層が地表面から約2メートルまでの比較的浅い場合の改良方法です。
木造住宅等、比較的建物の自重が軽い場合によく採用されます。
計画地の土を掘り起こし、セメント系固化材と混ぜ合わせ、ローラーなどで締め固めることにより地耐力を強化します。
柱状改良工法
軟弱層が地表面から約2~8メートル前後の中層に適する改良方法です。
軟弱地盤にセメント系固化材を筒状に注入し土と混ぜ合わせコラムと呼ばれる柱を造ります。このコラムにより建物を支える工法です。
小口径鋼管杭工法
軟弱層が地表面から約8メートル以上の深層に適する改良方法です。
鉄筋コンクリート造等、比較的建物の自重が重い場合に採用されます。
硬い地盤(支持層)まで鉄やコンクリートで作られた杭を打ち込み建物を支える工法です。
施工機械の選択によっては、狭小な現場にも対応が可能となります。
認定工法
認定工法とは、建築基準法68条の10に規定されている型式適合認定のことで、国土交通大臣が認定した工法です。この認定を受けることで、該当部分の審査や検査が簡略化されます。
・ETP工法…翼付きの鋼管杭を回転させる工法で、砂質地盤、粘土質地盤等さまざまな地盤条件に対応可能です。
・YSパイル工法…円盤状の掘削刃付きの鋼管杭を回転させる工法で、振動・騒音が少なく、狭小住宅地にも施工可能です。
・SMD鋼管杭工法…螺旋状の翼付きの鋼管杭を回転させる工法で、砂質地盤、粘土質地盤等さまざまな地盤条件に対応可能で、残土の発生もなく、狭小住宅地にも施工可能です。
性能証明工法
性能証明工法とは、新しく開発された建築技術の性能を(一財)日本建築総合試験所が第三者の立場から審査し、その技術が保有する性能について、性能証明を取得した工法です。
・ETP-G工法…シンプルな形状の回転貫入鋼管杭を貫入する工法で、振動や騒音が少なく、残土の発生もなく、狭小住宅地にも施工可能です。
・RES-P工法…ハウスメーカー等のプレハブ工法の住宅でよく採用される工です。Reinforced (補強) Earth (地盤) with Steel Pipe (鋼管) の略で、弱い地盤中にパイプ(細経鋼管)を貫入して、地盤とパイプ周面の摩擦力とパイプ先端の支持力との複合作用により、沈下を防ぎます。
・タイガーパイル工法…段付き鋼管を芯材として柱状にセメント系固化材を注入する2種類の材料を使ったハイブリッド工法で、軟弱地盤でも計画が可能です。