安全で安心な住宅に住めることを誰もが望んでいます。
後々隠れて見えなくなる部分や大切なポイントについて、各工程に瑕疵(欠陥や問題)が起きないように、また予め設定された性能に達しているかを「供給者にも需要者にも無関係な第三者が検査をする」これが第三者検査です。施工の管理・監督業務を肩代わりするということではありません。
第三者検査の種類と内容には以下のようなものがあります。
住宅金融支援機構による検査
フラット35を利用し融資を受けた場合、住宅金融支援機構では融資した住宅の担保力を確保するため、建築確認申請を受理した行政や認定機関が構造を主体とした検査を中間時と完成時に2回実施します。この検査は、フラット35を利用し融資を受けた住宅すべてに対して義務づけられています。
住宅瑕疵担保責任保険
住宅瑕疵担保責任保険を利用した場合に、保険法人が保険契約を締結した住宅の施工状況を現地において確認します。現場検査は、保険付保のために設けられた設計施工基準に基づいて建築されているかどうか、基礎配筋工事完了時や、屋根工事完了時から内装下地張り直前の工事完了時までの間などに行います。不適切な箇所が発見された場合は、施工会社に改善指示がでます。
保険法人によっては、3階建て(地階を含む)以下の建物であれば、2回の現場検査の他に、防水に係わる検査を追加できます。
住宅性能表示制度
性能保証表示制度は、住宅の性能を共通の基準を持って客観的に評価するものです。
構造の安定・火災時の安全・劣化の軽減という住宅の基本性能に関わるものと、維持管理への配慮・温熱環境・空気環境・光、視環境・高齢者等への配慮・音環境・防犯など居住性能に関わるものと、全部で10種類の22の項目(共同住宅は32項目)について設計の段階から性能レベルを設定して表示し、その性能レベルに達しているかどうかを検査し示す任意の制度です。
建築中には設計図書通りに施工されているかどうかを、評価機関が現場審査(基礎配筋時、躯体工事完了時、内装下地張り前、竣工時の原則4回)を行います。
評価手数料は、評価機関により異なりますが、木造2階建て、延べ面積200平米未満の住宅で約15万円となります。
建築士やホームインスペクターによる検査(個別契約)
建築士やホームインスペクターに検査だけを請け負ってもらう契約です。施主の代行として、工程ごとの細かいチェックをします。機能性は高いのですが、拘束時間も多いので、金額も数十万円程度と高くなります。
ホームインスペクターとは、『住宅全体の劣化状況や欠陥の有無を目視でチェックし、メンテナンスすべき箇所やその時期、おおよその費用などを「中立な立場」でアドバイスする専門家』です(引用:日本ホームインスペクターズ協会)。
費用、サービス内容はホームインスペクションサービスを提供する会社によって様々で、通常の目視による住宅診断(一次診断)に加えて、検査機材を使用する詳細診断(二次診断)や、耐震診断などを行うところもあります。
◆その他
行政によっては、独自で基礎や構造躯体等の中間検査を行うところもあります。