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コーポラティブハウス

コーポラティブハウス

土地を購入して家を建てたくても手ごろな土地が見つからない、分譲マンションでは画一的で自分達のライフスタイルとは違う、こうした問題を解決する1つの方法がコーポラティブハウスです。

コーポラティブ(Cooperative)とは、英語で「協同の」「協同組合の」という意味です。
あらかじめ入居する参加者が建設組合を結成し、建設組合が中心となって土地を共同で購入し、その上にそれぞれの参加者の希望をできる限り取り入れたタウンハウスやマンションを建てる方法をいいます。

コーポラティブハウスの利点は、参加者の希望により、ある程度の間取り、デザイン、設備など希望に添ったものをつくっていける点です。

設計や工事の発注は建設組合を通して参加者自身が行いますので、コストがガラス張りであり、住宅にありがちな見えないコストもありません。

分譲マンションと比較した場合、分譲マンションの販売時の価格には土地取得費や建築費のほかに10~20%の利益、広告費が5~10%が上乗せされていると考えられますが、コーポラティブハウスの場合は、土地取得費と建設原価のほかに5%程度のコーディネート料しかかからず原価に近い形で取得できることもメリットです。

また、分譲マンションの場合、仕上げや設備に予算の比重を置き、基礎や構造などの見えない部分はコストを抑える傾向がありますが、コーポラティブハウスでは建築家や設計事務所が入ることで建物や工事に対するチェック機能も働きます。

参加者同士が協同して家づくりにあたるため、入居後も連帯感のある理想的なコミュニティを形成することも期待できます。

しかし、その一方で参加者同士の話し合いや間取りや各戸の仕様決定など、分譲マンション購入よりも入居までには多くの打合せを必要とします。

また、スタート時の取得予定価格は概算であり、様々な状況や参加者の決定内容によって最終的な取得価格が変動することがあります。

融資の点についてもプロジェクトごとに利用できるローンが異なり、コーポラティブハウスに適したローンは少ないのが現状です。

コーポラティブハウスを建設するには、労力のみならず専門知識も必要なため、参加者自身がすべてを行うことは難しく、コーディネータや企業がプロジェクトを主導するのが一般的です。

コーポラティブハウスは、コーディネータの関わり方によって、「コーディネータ主導型」と「参加者主導型」に分けられます。

◆コーディネータ主導型

現在事業化されているコーポラティブハウスは、コーディネータ主導型と呼ばれる方式がほとんどです。これは、あらかじめコーディネータが土地を探して建築家や設計事務所を選び、建物全体のデザインや各戸の面積などを決めた上で参加者を募集するものです。

参加者が集まると、そこから世帯ごとの要望をまとめていきながら設計を完了させ、工事を発注・建築していきます。完成までの期間は、一般的な住宅の取得と比較して長くなることが通常です。

この方式の場合は、参加者が分譲マンションを買うような感覚で参加を決めることができますが、自由度としては大手のデベロッパーが行っているスケルトン・インフィル方式に近いと考えられます。

以上のようなことから、コーディネータ主導型は、「通常の分譲マンションでは自由度に不満がある」といった方には最適ですが、建築家選びや共有部分の使い方など、もう一段上の個性や自由度を望む方にとっては物足りなさが残ります。

◆参加者主導型

参加者主導型のコーポラティブハウスは、名実ともに参加者が計画の中心であり、コーディネータはサポーターかつアドバイザーとして、事務の代行やスケジュールの管理、手続きや技術面での助言などを行います。

建築家・設計事務所選びや建物全体のデザインや共有部分の使い方、各戸の面積なども含めて、全てのことを建設組合を通して各参加者自身が決めていきます。

しかし、募集の時点では完成形が見えにくく、また参加者の主体性とチームワークが求められることから、「住宅を買う」というよりも、むしろ「みんなで一からつくり上げる」という意識をもって参加することが前提条件になります。複数の施主が協力しあいながら建築をつくりあげていくには、相当なエネルギーを費やすことを覚悟しなければなりません。

建物の自由度が大きく、共同で作り上げていくプロセスの中で連帯感が生まれ、入居後も確立されたコミュニティの中で暮らしを営むことができる代わりに、参加者それぞれが担う役割も大きいのが参加者主導型のコーポラティブハウスといえます。

(佐々木)