建築確認申請とは
家づくりには様々な法律による規定があり、それらに適合していなければ家を建てることはできません。
なぜなら、建物は人命や健康、財産を保護し、快適で住み良い住環境が保たれるものでなければならないからです。
これから建てようとしている建物が法令を遵守し、その条件に適ったものになっているかを確認するのが、建築基準法に定められている「建築確認申請」です。
建築確認申請が必要な建物
申請が必要な建物は建築基準法で定められています。
以下の一号から四号の建築物に該当する建物を新築する場合は、建築確認申請が必要になります。
<一号建築物>
特殊建築物と呼ばれる建物で次のような用途に該当しその用途の部分の床面積が200㎡を超える場合
※特殊建築物:学校(専修学校及び各種学校を含む。以下同様)、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物のこと。
<二号建築物>
木造で回数3以上または延べ面積500平米、高さ13mもしくは軒高9mを超える建築物。
例:木造3階建ての住宅。
<三号建築物>
木造以外で階数2以上または延べ面積200平米を超える建築物。
例:鉄骨造や鉄筋コンクリート造の2階建て住宅。
<四号建築物>
上記一号から三号の建築物に該当しない建物で、都市計画区域内の建物
例:都市計画区域内の木造2階建て住宅。
建築確認申請の流れ
(1)申請
<申請者>
申請者は建築主になります。建築主は「建築確認申請が必要な建物」に該当する建物を建てようとする場合、工事の着手前に必ず申請をしなければなりません。
申請者は建築主ですが、工務店や設計者、ハウスメーカーなどが代理人となって申請業務を行うケースがほとんどです。
<提出先>
都道府県や市区町村の建築主事または民間機関である指定確認検査機関に、所定の確認申請書と設計図書等を提出します。
(2)審査
住宅の場合は、主に下記の規定に沿って審査されます。
<建物本体に関わる規定(単体規定)>
・構造耐力
・採光、通風
・防火・耐火、避難
・安全性(階段の寸法、手すりの高さなど)
・建物内環境、室内環境(シックハウス対策など)
<建物と地域、周囲に関わる規定(集団規定)>
・用途(用途規制)
・高さの制限(斜線制限、日影規制など)
・大きさの制限(容積率、建ぺい率など)
・敷地と道路の関係(接道義務、2項道路の後退など)
この他にも宅地造成規制法や消防法、浄化槽法等の規制を受ける建物では、これらの審査を受ける必要があります。
(3)確認済証交付
これらの審査で全てが適合と判断されると「確認済証」が交付され、はじめて着工が可能となります。
建築基準法では、申請内容に問題がなければ7日~35日以内に確認済証を交付するとされています。ただし、実状としては修正を求められるケースも多いため、概ね3週間~1ヶ月半程度のスケジュールを確保しておく必要があります。
申請手数料
建築確認申請には申請手数料がかかります。申請先や建物の延床面積によって金額が異なりますので、事前に確認しましょう。
これは都道府県や市区町村の建築主事または民間機関である指定確認検査機関に支払うもので、「確認申請業務」として工務店や設計者、ハウスメーカーに支払う業務報酬とは異なります。
例)東京都の申請手数料(東京都都市整備局ホームページより/最終更新日:2023年3月9日)
30平米を超え100平米以内 : 9,400円
100平米を超え200平米以内:14,000円
200平米を超え500平米以内:19,000円
一度申請をすると軽微な変更以外は計画変更と見なされ、改めて申請をし直す必要があります。その際にも申請手数料が発生しますので注意しましょう。
罰則
建築確認申請をせずに工事に着手した場合には罰金が課せられます。
また、確認済証の交付を受けた内容と違う建物を建てた場合には、是正を求められたり、工事停止、使用禁止、除却などの命令が出され、それらに関わった業者も業務停止、免許取り消しなどの処分を受けることがあります。