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「子どもが思春期に入り、“自分の部屋が欲しい”と言い出した」
「兄弟それぞれの個性や生活リズムに合わせた空間づくりが難しい」
そんな悩みを持つお客様から注文住宅やリフォームのご相談をいただきます。
15歳と13歳のお子様がいるY様ご家族も、「ゲーム・勉強・就寝を分けたい」「自分の空間が欲しい」という子どもたちの声をきっかけに、家づくりをスタートしました。
失敗しない!思春期の子ども部屋づくりのポイント3つ
・個室の独立性と家族のつながり、どちらも大切に
・勉強・遊び・就寝のゾーニングを意識する
・収納・空調対策も忘れずに
親の視点 “見守りたいけど、干渉しすぎたくない”
Y様ご夫婦は、子どもたちの成長を嬉しく思う一方で、こんな葛藤も抱えていました。
・勉強や睡眠の質をサポートできる環境にしたい
・思春期でも、家族の会話や気配を感じられる距離感を大切にしたい
・家事をしながら、さりげなく子どもの様子が分かると安心
・子どもが巣立った後も、部屋を有効活用できるようにしたい
親としての“見守りたい気持ち”と、“干渉しすぎたくない気遣い”のバランスが、間取り設計の大きなテーマになりました。
工務店との打ち合わせで見えてきた“子どもたちの一日”
・平日は学校・塾・部活で帰宅がバラバラ
・勉強は静かな場所で集中したい
・友達とオンラインゲームを楽しみたい
・兄弟でケンカもするが、時々一緒に過ごしたい
この生活リズムをもとに、2つのプランが浮上しました。
2つの選択肢とその違い
A. 個室+収納、独立性を重視する案
子どもそれぞれに完全な個室を用意し、独立させるプラン。
・プライバシーが守られ、集中しやすい
・家族とのコミュニケーションが減る可能性も
B. 共有空間で適度な干渉を保つ案
個室は最小限にし、勉強スペースなど共有空間を設けるプラン。
・家族の気配を感じやすく、適度な距離感が保てる
・プライバシーや集中力の確保に工夫が必要
Y様ご家族が選んだのは「こもりすぎない個室+共有スペースのハイブリッド案」
最終的にY様ご家族は、「個室は最低限の広さにとどめ、共有スペースを充実させる」ハイブリッド型の間取りを選択しました。
・個室はベッドと収納が収まる程度のコンパクト設計。
最低限のスペースで長時間こもることを防ぎ、生活の中心が共有スペースになるよう工夫しました。
・2階ホールにスタディスペースを設置
勉強や読書はここで行うことで、家族の気配を感じながらも集中できる環境を実現。
この設計により、子どもたちは「自分の空間がある安心感」と「家族とのつながり」を両立できるようになりました。Y様ご夫婦も、「こもりすぎず、自然に顔を合わせられる距離感がちょうどいい」と満足されているそうです。
マッチングコーディネータの視点!
思春期の子ども部屋づくりは、「個室の独立性」と「家族のつながり」のバランスがポイントです。
・完全な個室にこだわりすぎず、家族の気配を感じられる工夫を
・生活リズムや成長に合わせて、将来の使い方もイメージしておく
・収納や空調などの細やかな配慮も忘れずに
また、親の「見守りたいけど、干渉しすぎたくない」気持ちを間取りで表現することが、家族の関係性を自然に保つポイントになります。思春期の子ども部屋は、単なる「部屋づくり」ではなく、家族の関係性を育てる空間設計でもあります。「どんな距離感が家族に合っているか?」を家族みんなで話し合いながら、後悔のない家づくりを進めてください。