目次
地方都市や郊外では、1人1台が当たり前というご家庭も少なくありません。
今回ご紹介するのは、軽自動車+SUVに加え、来客用の車も想定し、最低3台分の駐車場を確保したいと考えたT様ご夫婦(40代・小学生の息子さん1人)の事例です。
土地購入の段階から「どう駐車場を確保するか」が大きなテーマになりました。しかし、購入を検討している土地は間口が狭く、奥行きのある形状。単純に並列3台分を置くには使い勝手に難がありました。
後悔しないために知っておきたい3つのこと
1.駐車場3台を確保するためのレイアウトと敷地形状の関係
2.ビルトインガレージと屋外駐車のメリット・デメリット
3.来客時にも使いやすい駐車配置の工夫
間口の狭さが生む駐車計画のジレンマ
T様(40代ご夫婦・小学生の息子さん1人)は、通勤・買い物・習い事すべてが車移動という地域にお住まい。
夫はSUV、妻は軽自動車を日常使いしており、さらに、実家のご両親がよく遊びに来るため、来客用の駐車スペースも必要 でした。
T様が検討していた土地は、長方形。建物を道路に近づければ奥に広い庭が取れますが、駐車場を優先すると庭やアプローチが圧迫されます。
「とにかく3台停めたい」という思いから、当初は縦列駐車を考えましたが、夫婦で異なる時間に出勤・帰宅するため、奥の車を出すたびに手前の車を動かすのは現実的ではありませんでした。さらに、冬場は雪かきの手間も想定しなければならず、「台数だけ確保できても日常で不便では意味がない」と気づきました。
ビルトインガレージか、屋外駐車か検討した選択肢は2つ
A:ビルトインガレージで建物に取り込む
メリット :雨・雪の日でも快適。車の劣化を防げる。
デメリット:建物コストが上がる。居住スペースが減る。
B:屋外駐車場を別に確保
メリット :建物の間取り自由度が上がる。工事費が抑えられる。
デメリット:夏は直射日光、冬は雪かきが必要。セキュリティ面も注意。
T様は当初ビルトインに憧れがありましたが、「ビルトインは現実的に難しい」と判断し、屋外駐車場を選択されました。
🟡マッチングコーディネータの視点!
これまでの相談で多いのは「台数だけで計画して、日常の出し入れ動線を考えていなかった」という後悔です。例えば、奥の車を出すたびに他の車を動かす配置だと、忙しい朝や悪天候時に大きなストレスになります。
工務店へ要望を伝えるときは、
・使用頻度の高い順に出し入れしやすい位置へ配置すること
・将来の車種変更(ミニバンやEVなどサイズや充電設備)を見据えること
・来客時の一時駐車も想定して、アプローチや庭との関係を考えること
この3つを整理して工務店に伝えると、提案の精度がぐっと上がります。
T様が選んだのは「L字配置+予備スペース」
最終的にT様は、家の正面にSUVと軽を並列で駐車し、建物横の奥まったスペースを来客用の駐車場として確保しました。アプローチをL字に回すことで、来客用にも使えるフレキシブルな動線にしました。
これにより、日常の出し入れストレスを減らしつつ、来客用の駐車場、将来の増車にも対応可能な計画になりました。
“台数”だけでなく“使い方”を描くことが大事
駐車場計画は、単に台数を満たすだけでなく、誰が・どんな頻度で・どんな時間帯に使うのかを考えることが重要です。土地の形状や生活パターン、将来の変化まで含めて計画すれば、毎日の使い勝手と満足度が大きく変わります。