ご自身の夢を叶えるための「ドラムハウス」実現に向け、2021年8月に建築家・杉浦充さんと設計契約されたEさん。前回の記事では、プロジェクトを考えるに至った経緯、打合せを重ねる中でのお気持ちをインタビュー形式で率直にお伺いしました。家づくりをご検討なさる方にとって、共感するポイントがいくつもあったことと思います。
『夢のドラムスタジオ付セカンドハウス! Part.1』こちら↓
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あれから約1年。先日、上棟式が無事執り行われました。
ここに至るまでの1年間は、家づくりをご経験された方同様、いろいろな思いと決断の積み重ねでした。ダイジェストでお伝えいたします!
何を取捨選択するべきか
注文住宅の家づくりは、完成するまで大小さまざまな決断をし続けるメンタル的にもハードなプロジェクトです。
大きなところで言うと、間取り、窓のサイズや位置、水回りの動線や設備のスペック。小さなところで言うと、コンセントの位置、数、仕上げ材、色などなど。
ひとつを決定するには関連する様々なことまで決定していかなければなりません。
プランに関わる窓の位置や間取りは、それこそこの道一筋の建築家にゆだねたほうが上手くいくことがほとんどです。ですが、コンセントの数、位置などは、想像力を働かせながら
「ここでPCを使うとなると電源は・・・」
「『着る→脱ぐ→洗濯する→乾かす→しまう』はこの動線が最適?乾燥機付き洗濯機にしたらここには棚がつけられて合理的に生活できるかも」
など、未来の暮らしを想定して決定することで、日常がぐっと良くなることばかり。つまりひとつを決定するにはいくつもの決定をしていくことになるのです。
Eさんも図面と模型で何度も打合せを重ねます。建築家と話をすることで不安は解消され、家に帰って何度も見返していると、ワクワク感と同時に新たな不安が沸き起こります。「なにかご不安なことが湧き起こったら遠慮せずに建築家に相談、解決して進めてくださいね」とお伝えしていたことを実現していただいたご様子で、不安が沸き起こると建築家に都度相談されたそう。建築家の杉浦さんは現場経験も豊富なので、丁寧に細かく説明され、安心して一歩一歩前に進めることができたと顔をほころばせながらおっしゃっていました。
工事契約そして地鎮祭
設計契約してから5か月後にいよいよ工事請負契約です。今回の施工を担当されるのは株式会社匠陽さん。
この段階ではほぼ全てのプラン、設備、仕様が確定しています。このスケジュールは建築家との家づくりの中ではとても早い流れです。なぜ早く進められたのか。迷ったら信頼する建築家に都度相談し、不安を解決しながらひとつずつ前に進めることができたからといっても過言ではありません。Eさんにとってはいくつもの決断をしてきた濃厚な時間だったことと思います。全てが決定し、いよいよ工事契約。その後に地鎮祭へと進みます。
すでに更地になった約8坪の土地は本当にコンパクト。家の形となる地縄も敷地ギリギリ。難易度の高い工事現場であることが伺い知れる瞬間です。
地鎮祭は神主さんをお呼びして、地の神様を鎮める儀式。いよいよ工事開始です。
今までの打合せ内容がいよいよ形に!
地鎮祭から約半年後、いよいよ建物の形が現れます。
Eさんのプロジェクトは地下があるため、通常よりも4,5カ月後の上棟です。最近では、上棟式を行わない現場も増えていますが、Eさんは工事をしていただく職方さんにきちんとご挨拶する機会を設けたいと、上棟式を行いました。
上棟式は基礎のコンクリートが出来た後、骨組みとなる柱、梁、屋根の小屋組みを一気に組み上げ、家の骨格ができた状態で大工さんたち、職方さんたちをねぎらい「よろしくお願いします」と祝う儀式です。昨今は車で現場にくる職方さんが多いため、お酒をふるまうことはなく、お清めのお酒とお米を四隅におき、清めます。
地下部を含むコンクリート型枠が外れ、綺麗なコンクリートが見えています。工事が始まると、あとは職方さんにお任せするのみなので、Eさんはひたすら見守ってく形になります。
この間にも豪雨時には地下室大丈夫かしら、と心配になったり、ドラムスタジオ内装の専門業者が現地入りした時には小さいけれど大丈夫かな、防音扉を地下まで運ぶための階段のとりまわしは大丈夫かな、と不安になったそうです。ここも建築家、現場監督の采配で全てを見越して打合せを重ね、事前にトラブル回避をしていたそうです。建築家、そして現場監督も実は大変でした、と苦労が笑い話になる和やかな上棟式。これぞフルオーダーの家づくり、チームワークですね。
形が現れると、更地では感じられなかった内部の拡がり感を新たに感じることができます。
このあとは屋根、壁、窓などが作られ、よりリアルさが増していきます。完成は初冬。コンクリート壁にある入り口が地下のドラムスタジオへとつながっています。
次回はいよいよ完成したEさんの感想などを交えてお伝えします。次回もお楽しみに!