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「サロンを開きたいと思って。でも、家の中にお客様を通すのがどうしても気になって…」
そう話すのは、旭市にお住まいのK様(30代・主婦)。美容系の専門学校を卒業後、出産を機にいったん現場を離れていたK様ですが、「自宅でネイルサロンを開きたい」とご相談にいらっしゃいました。
“おうちサロン”をどこまで生活空間と分けるか。
「できるだけ生活感を出さず、お客様を迎えたい」
そんな想いを形にする住まいづくりが始まりました。
1.店舗を借りるか、自宅を改装するか──1年悩んだ起業プラン
ご相談当初、K様は自宅での開業とテナント出店の両方を視野に入れていました。
「子どもが小さいので、できれば自宅で…でも、保健所のこととか、玄関のこととか不安も多くて」
決め手になったのは、「通勤や家賃の負担なく、自分のペースで働きたい」という想いでした。
・お子さんの送り迎えと並行できる
・手が空いた時間で施術できる
・収益より“続けられる仕組み”を優先
こうした背景から、「生活空間とは切り離した自宅サロン」に踏み切る決断をされました。
2.保健所対応のために、玄関を“2つ”にした理由
K様が強くこだわったのは「生活感を感じさせない動線」です。
・来客用と家族用の玄関を分けたい
・お客様が通る動線に生活感が出ないようにしたい
・トイレや洗面も、家族とは別にしたい
保健所の確認を受ける際も、
・玄関分離
・施術室の専用化(用途明確化)
・待合スペースの確保
が要件になりうるため、「間取りで解決できること」は多くあります。
最終的に、
・玄関を2つ設置(施術側は道路沿い、住宅側は裏手)
・来客用玄関→施術室→トイレの動線を“完全分離”
・住宅側とは扉でつながるが、普段は施錠
という構成にしたことで、「仕事モードと家庭モードを切り替えやすい空間」になりました。
★マッチングコーディネータの視点!
K様が悩まれていたのは、いわゆる「併用住宅」の設計特有の課題でした。
・生活空間と接していることで、お客様が気を遣うのでは?
・衛生面での印象や、保健所の確認で不安がある
・家族の生活リズムと営業のタイミングが干渉しないか
こうしたご不安に対して、
・設計段階でゾーニングを明確に
・水回りや待合スペースも“サロン専用”に
・駐車場からの誘導や、看板の設置動線にも配慮
といった提案が考えられました。
このように、使い道や生活リズムが異なる用途を具体的な間取りとして提案できる、設計力のある工務店とのマッチングを行いました。
竣工後のご感想として特に印象的だったのは、
「施術後、お客様とゆっくり話せる待合スペースができて、営業トークじゃない関係が築けた」
とお話されたK様の笑顔を見て、いいマッチングができたことを実感しました。
3.共有玄関+動線工夫で済ませる案もあったが…
初期プランでは、「玄関は一つで、間仕切りで動線を分ける」という案もあったそうです。
けれど、
・保健所との事前相談で分離の必要性が明確に
・将来的に事業規模を広げる可能性
・住宅ローンの兼ね合いで“用途区分”を明確にした方が良さそう
といった理由から、玄関分離型を採用することに。
その結果、K様としては「今はお客様が来る前に“生活感ゼロ”の空間を整えるのが日課です。切り替えができる分、自分自身の気持ちにも余裕が持てるようになりました」とのことでした。
4.まとめ|“生活感ゼロ”で迎えるおうちサロン
K様が実現されたのは、“生活空間にありながら生活感を出さない”という設計でした。
・玄関・動線・トイレ・水回りの分離
・お客様目線で考えた導線設計
・将来的な事業展開も見据えた空間計画
これらは、単なる間取りではなく「自宅で働くための仕組み」でもあります。
これからおうちサロンを開業される方、特にネイルや美容など衛生・動線が重視される業種をお考えなら、ご自身の目的に照らして、異なる用途のスペースを間取りにまとめ上げることができる依頼先、設計力のある依頼先を見つけることが重要です。



