聞いちゃえ広場まとめ

  • 地下室構築に伴う不同沈下について

    • 2010-02-17
    • 名前:ちか

    現在、改築で密集地に、地下1階、地上3階建てを計画しております。また、建築の依頼を建築家の方にするか、工務店にするかも考え中です。
    いろいろネットでしらべてみると、地下室を作った事で、自分の家はもちろん、近隣の家が不同沈下で傾いてしまったりするというリスクがある事を知りました。
    もちろん、他にもリスクはあると思いますが、近隣とのトラブルを一番に避けたいというのが心情です。
    それでもなお、狭小地なもので、地下室を作らないと必要なボリュームが足りないので、あえてリスクの高い地下室を作りたいと思っています。
    質問ですが、建築家の方に設計をお願いした場合、もし仮に近隣の地盤が不同沈下を起こしてしまったとすると、近隣への慰謝料はどなたが、どのようにするのでしょうか?
    建築家の方に責任があった場合を考え、責任を負えるかどうかの判断を建築家を選ぶ時点で考慮した方がいいのでしょうか?(何か判断基準はありますか?)
    自分の建てた家自体が不同沈下を起こしてしまった場合はどうでしょうか?
    こういった時の為に入れる保証はありますか?

    ご参考までに

    • 2010-02-19
    • 名前:ザ・ハウス

    ちかさん、こんにちは。近隣にご迷惑をかけたくないという気持ちは多くの方がご心配されていることですね、近隣への配慮は大切なことだと思います。
    > 建築家の方に設計をお願いした場合、もし仮に近隣の地盤が不同沈下を起こしてしまったとすると、近隣への慰謝料はどなたが、どのようにするのでしょうか?
    建築家に設計ミスがあれば建築家に、施工会社に施工ミスがあれば施工会社に、それぞれの責任は問えると思いますが、一次的には建て主さん(ちかさん)に対する責任です。ちかさんが隣人からクレームを受けたとしても、それに対して慰謝料を払うことは少ないと思います。もちろん、明らかに地下室が原因で隣地が不同沈下を起こした、隣人が直接、建築家・施工会社を訴えた場合は損害賠償金を払うこともあると思いますが、因果関係が明確になりにくい(例えば、隣人の建物の地盤対策が不十分で地下室とは無関係ではないか、と回答されると思います)ので難しいように思います。これは、建築家に依頼した場合でもハウスメーカーに依頼した場合でも同様の対応になると思います。
    したがって、明らかに建築家や施工会社にミスがあり、責任がある場合を除けば、隣人のクレーム対応は建て主さんが行うことになる可能性が高いと思います。
    > 建築家の方に責任があった場合を考え、責任を負えるかどうかの判断を建築家を選ぶ時点で考慮した方がいいのでしょうか?(何か判断基準はありますか?)
    上記のように、建築家・施工会社、或いはハウスメーカーもミスが明らかな場合を除き、責任は負わないと思います。
    責任を負える能力があるかどうか、ですが、大手ハウスメーカー以外に支払う能力はないと思います。というのも、最大の賠償金額は家1件分になりますが、中小規模の施工会社や建築家は支払えない金額です。したがって、多くの場合、保証会社や保険がカバーすることになりますが、上記のように隣地の建物に対する因果関係は明確になりにくいので保険等でも難しいと思います。
    > 自分の建てた家自体が不同沈下を起こしてしまった場合はどうでしょうか?
    隣人の建物の場合は、不同沈下の理由が他にも考えられる(例えば元々、建物が傾いていたのではないか、十分な地盤対策ができていなかったのではないか)ので、責任の所在が明確ではありませんが、建築家が自分で設計した建物、施工会社が自身で施工した建物、になりますので責任は明確です。しかしながら、賠償金額が多額になりますので、自社で支払うことは難しく、保険等を利用することになると思います。
    > こういった時の為に入れる保証はありますか?
    地盤保証という保証があります。これは地下室のためのものではなく、不同沈下を未然に防ぐため、また万が一、起こってしまった場合、建物の建て替え・改修の費用を保証するためのものです。各社、保証内容や保証範囲などが異なりますので、詳しくは各保証会社にお問合せください。
    地下室をユニットで販売している場合、メーカーが地下室に保証をつけることがあります。こちらも様々な商品・保証がありますので、各メーカーにお問合せください。

    回答ありがとうございます。

    • 2010-02-22
    • 名前:ちか

    ザ・ハウス様、回答ありがとうございます。地下室はいろんな面で、やはりリスクが大きいのですね。あれこれ考えると、改築に踏み切れなくなりそうですが・・・
    建築家の方にお願いするとしたら、そういった「もしも」が起こらないように、しっかりと地下室造りの経験、知識のある方に頼むのが大切なのかもしれませんね。しかし、「もしも」が起こってしまったら・・・。いや、それを起こさない為の建築家さんですからね。
    ここでまた一つ、お聞きしたいのですが、その不同沈下は、地盤の強さ、弱さによって起こる可能性は変わってくるのでしょうか?ちなみに、私の家は地盤調査をしたところ(たった1点だけしか測れませんでしたが)、地盤は悪くないという事で、それを見る限り杭も必要ないとの事でした。
    それから、もう一つ、不同沈下を起こさないようにする対策というのにはどんなものがあるのですか?ちょっとよく分からないのですが、山留めというのが、ポイントなんでしょうか?
    全く知識が無く不安ばかり募らせるより、実際の対策をお聞きして、少しばかりでも不安を取り除きたいのですが・・・。
    でもでもやはり、「もしも」の事が起こってしまったら、という事を考えたら、大手のホームメーカーを選ぶしかない、というところでしょうか。でも、大手が責任を取ってくれるかといったら、それも微妙ですよね。
    ふぅ、悩む所です。狭小+密集地に地下室、難しいですね。狭小+密集地だからこそ地下室にしたいのですが・・・。

    ご参考までに

    • 2010-02-24
    • 名前:ザ・ハウス

    ちかさん、こんにちは。
    ちかさんの書込みにもありましたが、地下室にはメリットもありますがデメリットやリスクもあります。あれこれ考え始めると決断はできなくなってしまいますね。しかしながら、これは地下室に限定して話ではなく、工法を選んだり、断熱方法を選んだりすることと同じことかもしれません。何を選んだとしても長所と短所があり、不確実な部分は残ると思います。
    それらを払拭するひとつの方法は、ちかさんもお気づきになっていますが経験です。もちろん、建築家や施工会社に経験があることは大切ですが、技術がどの程度、普及しているか、ということも大切です。普及している技術は、多くの人が利用する中でミスを修正してきていますので、ミスが起こりにくくなります。そういった意味では地下室はある程度、定着してきた技術だと思いますので(いろいろな新工法もありますが一般的な地下室という意味です)、過度に心配されなくてもいいかもしれません。
    一方、普及・定着した技術は驚きの効果もありません。飛躍的な効果、新しい効果を目指した技術・工法は日々、開発されていますが、これはすばらしいことです。しかしながら、利用する側は効果だけに目を向けず、デメリットや不確実性についてもしっかりと検討していただきたいと思います。
    > でもでもやはり、「もしも」の事が起こってしまったら、という事を考えたら、大手のホームメーカーを選ぶしかない、というところでしょうか。でも、大手が責任を取ってくれるかといったら、それも微妙ですよね。
    微妙だと思います。大手ハウスメーカー自身が責任をとる(=利益を削る)ということですので、どちらかと言えば消極的かもしれません。保険の場合、保険料を払うことがイレギュラーではない(一定の割合で欠陥があることを事前に予測されている)ので、要件を満たせば、もめることは少ないと思われます。
    > ここでまた一つ、お聞きしたいのですが、その不同沈下は、地盤の強さ、弱さによって起こる可能性は変わってくるのでしょうか?
    大雑把に言えば、地盤の強さ・弱さということになりますが、もう少し具体的に言えば、様々な原因が複雑に関わっているので、申し訳ありませんが一言では表現できません。
    おそらく1ポイントの調査は、地盤の専門業者がおこなったものではなく、簡易的な調査ではないでしょうか。専門性が高いものになりますので、建築家や施工会社とも相談し、地盤調査・地盤改良の専門業者にも見ていただくことをおすすめします。

    回答ありがとうございます。

    • 2010-03-01
    • 名前:ちか

    ザ・ハウス様、回答ありがとうございます。今回、地下室を検討するにあたって、色々な工務店を見てきましたが、地下室は思ったよりも普及しているのだなぁ、という印象を受けました。それは、それだけ、技術も上がり、特に「特殊」という事ではなくなっている、という事でもあるんですね。ちゃんとした知識を持って施行をすれば(そういった経験を持つ施行会社を選ばなければなりませんが)、問題なくできるのかなという考えに変わってきました。これは、私にとっては安心材料になりました。説明していただきありがとうございます。
    一つ、検討している比較的小さい工務店さんですが(地下室の実績は多いです)、「もしも」があった場合、損害保険に入っているので、それで対応しています、という事でしたが、それは通常の事なんでしょうか?
    >保険の場合、保険料を払うことがイレギュラーではない(一定の割合で欠陥があることを事前に予測されている)ので、要件を満たせば、もめることは少ないと思われます。
    この保険というのは、どういった保険の事を指しているのですか?
    それから、地盤調査についてですが、サムシングという会社のスウェーデン式サウンディング試験というもので行いました。1点だけしかとれなかったのは、家と境界線(壁)との間があまりに狭い為、家の前しか器械が入らなかった為です。ちなみに下がその結果で(省略していますが)、推定水位は6.25mでした。その6.25m以下の地盤は1m当り半回転数が、292と出ています。
    貫入深さ/貫入量/荷重/半回転数/1m当り半回転数/換算N値
    (m) (cm) (kN) (回) (回) (回)
    0.25/ 25/ 1/ 5/ 20/ 4.0
    0.75/ 25/ 1/ 自沈/ 0/ 3.0
    1.25/ 25/ 1/ 0/ 0/ 3.4
    1.75/ 25/ 1/ 2/ 8/ 3.0
    2.25/ 25/ 1/ 2/ 8/ 3.4
    2.75/ 25/ 1/ 6/ 24/ 4.2
    3.25/ 25/ 1/ 9/ 36/ 4.8
    3.75/ 25/ 1/ 42/ 168/ 11.4
    4.25/ 25/ 1/ 36/ 144/ 10.2
    4.75/ 25/ 1/ 9/ 36/ 4.8
    近くに小さな川もあり、以前、水まわりのリフォームをしていただいた際、ちょと掘ると水が出るといわれていた為、地盤は軟弱だろうと考えていたのですが、これを見る限り、そんなに地盤は悪くないですよと、検討している工務店さんや建築家の方に言われました。しかしながら、やはり1点のみなので、家を壊してからもう一度ちゃんと地盤調査が必要で、その結果、地盤改良が必要になるかもしれないという事も言われましたが・・・。お金はかかりますが、地盤の改良をすれば、地盤の保険にはなるんですよね。
    すみませんが、また回答の方よろしくお願いします。

    ご参考までに

    • 2010-03-03
    • 名前:ザ・ハウス

    ちかさん、こんにちは。
    > 「もしも」があった場合、損害保険に入っているので、それで対応しています、という事でしたが、それは通常の事なんでしょうか?
    もしもの時の損害は、建て主様の生活・精神的な苦痛・費用はもちろんのことですが、業者側(建築家・工務店・ハウスメーカー、不動産会社など)の負担も大きいものです。したがって、先に回答したように、できる限り責任は取りたくないという対応になってしまいます。建て主側・業者側の利害がゼロサムですのでなかなか歩み寄ることができませんでしたが、保険を用いることで緊張関係が緩和されます。
    例えば、平成21年10月1日より、住宅瑕疵担保履行法がスタートし、欠陥の補修等が確実に行われるように保険金(業者の負担)が義務付けられるようになりました。
    参考:住宅瑕疵担保履行法(国土交通省)

    保険・保証制度はいくつもありますので、ご依頼中の工務店さんがどの保険を指していたのか分かりませんが、保険等を利用するケースが増えていると思います(なお、上記の住宅瑕疵担保履行法の保険は義務です)。
    > この保険というのは、どういった保険の事を指しているのですか?
    特定の保険を指したものではなく、保険の性質を説明したものです。言葉足らずで失礼しました。もしもの時があった場合、「業者側に責任があるので全額、賠償して」という話をしても「分かりました、それでは数千万円を払います」とは、金額が金額ですので、そうはなりにくいと思います。責任が明確であったとしては、払えないものは払えないので実現性に限界があります。しかしながら、保険はもともと「もしもの時」のものです。そういう意味では保険金を払うことは通常業務で特別なことではない、と思います。これらは保険・保証制度の一般的な機能の説明です。様々な保険等があり、それぞれ要件は異なりますのでご利用の目的に合うのかは事前にご確認ください。
    > お金はかかりますが、地盤の改良をすれば、地盤の保険にはなるんですよね。
    「地盤改良=地盤の保険」というケースは多くないと思います。一般的には、地盤保証を提供している会社は、その会社が調査、指定した改良工事を行った場合、地盤保証をつけます、というものだと思います。保証内容・保険料などの詳細は各社によって異なると思いますので、ご依頼中の建築家・工務店を通じてご確認ください。

    • トピック「地下室構築に伴う不同沈下について」には新しい返信をつけることはできません。