建築家のコスト

  • 2009-03-05
  • 名前:ザ・ハウス

吸収さん、こんにちは。
確かに建築家の家は当初予算よりも上がることが多いです。上がる場合、ちょうどの場合、下がる場合の割合は6:3:1くらいでしょうか。
理解は大きく分けて2つになるかと思います。
(1)建築家のコスト見切り能力
ご存知の通り、建築家の住宅は建て主の予算に合わせて建築家が自分のコスト認識で設計を進めます。建築家が実際に自分で施工するわけではありませんので、後々工務店の見積もりとはほぼ必ずズレが生じます。特に経験の少ない建築家は使ったことのある素材が少ないことから、コストを読み違える確率が高まります。
しかし、ここ数年の材料費や人件費(職人)の高騰やまた今後起こりうる値下がりで、最近はベテランであっても正確にコストを見切ることが大変難しい状況です。
結局、個々のケースというより、実際に施工を行わない建築家がコストを管理するという、建築家の家づくりが初めから持っている欠点といってもよいでしょう。
(2)建て主の要望の増加
ほぼ100%の確率で、設計途中に建て主側の要望が増えます。実際に設計に入ると夢が膨らみますし、徐々に家のプランが現実的になってきますので、入れ忘れた細かい部分の追加要望が見えてきます。これもいい家づくりのためには仕方のないことだと思います。
このとき、多くの建築家は建て主の夢を壊してはいけない、このくらいの要望であれば後で調整がつくかもしれない、ということで、いちいちコストの増加を告げずに設計を進めます。
結局、それが積もってはっきりしたコスト増になるというパターンが、コストが上がる場合の7割くらいを占めるのではないでしょうか。
建築家で家を建てる場合に建て主が注意すべきことは、まずご要望を整理して、あらかじめなるべく細部までリストアップしておき、その上で予算の1割くらいをポケットに隠しておくか、建築家に絶対に予算を出ないで欲しい、もしこちらの要望でコストが上がるのであればそのたびに確認して欲しい、と念を押して設計に入ることだと思います。