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「戸建てって、やっぱり冬は寒いですよね?」
マンションから戸建てへの住み替えを考える方から、必ずと言っていいほど聞く言葉です。
今回ご紹介するのは、東京都荒川区で親御様との同居を前提に家づくりをされたD様親子の事例です。
それまでの住まいはマンション。
冬の寒さに悩まされることなく暮らしてきたからこそ、戸建てへの住み替えにあたっては「マンションと同じように暖かく暮らせるのか」という不安が大きかったといいます。
戸建てに住む決断と、消えなかった「寒さ」への心配
D様が家づくりを考え始めたきっかけは、親御様の足の手術でした。
医師からは、階段の昇り降りのない生活を勧められ、マンション12階での暮らしは現実的ではないと判断されました。
親御様が所有していた土地を活用し、同居のための住宅を建てる。
将来を考えた、前向きな決断でしたが、一方でD様の頭から離れなかったのが、この不安です。
「一戸建てって、やっぱり寒いんじゃないか……」
工務店でまったく違った答えが返ってきた
家づくりを進める中で、D様は複数の工務店と面談をしました。
その中で印象的だったのが、寒さに対する説明の違いです。
ある工務店では、
「床暖房を入れなければ、マンションと同程度の暖かさは難しい」
と言われました。
一方で、
「床暖房がなくても、底冷えしない家はつくれます」
と説明する工務店もありました。
同じ条件、同じ要望を伝えているのに、結論は正反対。
D様は「どちらが正しいのか分からない」という戸惑いを感じたといいます。
数字ではなく「冬の暮らし」を想像できたか
最終的にD様が判断の軸にしたのは、断熱材の種類や数値だけではありませんでした。
冬、家の中でどう過ごせそうか
足元は冷えないか
暖房を強くしなくても快適か
モデルハウスや入居済みの住宅を見学し、「この家で冬を過ごす自分たち」を想像できるかどうかを確かめていきました。
結果としてD様は、当初予定していた予算よりも増額し、“暖かさを優先した家づくり”を選びました。
理由はシンプルです。
「寒さは、住んでから簡単に直せない」
「毎日の快適さに関わる部分だから妥協したくなかった」
住んでみて分かった、床暖房のない暖かさ
完成後、D様の暮らしはこう変わりました。
真冬でも朝晩に短時間暖房を入れる程度
日中はほぼ暖房なしでも快適
足元が冷えず、家全体がやさしく包まれる感覚
工務店からは「外壁と内壁の間の空気を暖める、魔法瓶のような構造」と説明されていたそうですが、実際に住んでみて、その意味を体感できたといいます。
暖かさが、暮らしそのものを変えた
この家づくりで印象的なのは、暖かさが生活の質にまで影響したことです。
1階の床には、柔らかい桧の無垢材を採用。
足の悪かったお母様は、住み始めてから日に日に足の調子が良くなり、整体の先生にも驚かれたそうです。
「少し高かったけれど、選んで本当によかった」
D様はそう振り返ります。
マッチングコーディネータの視点!
マンションから戸建てへ住み替える方の多くが、「戸建ては寒いのではないか」という不安を抱えています。
そのため、家づくりの相談をすると「床暖房がないとマンション並みの暖かさは無理」と言われることも少なくありません。
ただ実際には、床暖房を前提にする工務店と、床暖房がなくても暖かさをつくる工務店とでは、“暖かさの考え方そのもの”が違うことが多いのです。
大切なのは、床暖房が必要かどうかをすぐに結論づけることではなく、「その工務店が、どんな前提で暖かさを説明しているのか」を見極めること。
設備の話だけで終わるのか、家全体のつくり方として説明してくれるのかで、住み心地は大きく変わります。
マンション暮らしから戸建てに移るときは、「マンションと同じ暖かさを、どうやって実現しようとしているのか」を具体的に語ってくれる工務店かどうかが、後悔しない家づくりの判断材料になると感じています。
暖かい家は、設備ではなく「考え方」で決まる
D様の事例が教えてくれるのは、暖かい家づくりは「床暖房があるか・ないか」という単純な話ではない、ということです。
暖かさをどうつくり
どう保ち
どう感じさせるか
その考え方が一貫しているかどうかが、住んでからの満足度を左右します。
マンションから戸建てへ住み替えるときこそ、「自分たちは、どんな冬を過ごしたいのか」を軸に、比較し、体感し、納得して選ぶ。それが、底冷えしない暮らしにつながります。
