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EV2台でも“充電ストレスのない家”にしたい
今回ご紹介するのは、共働きで2台のEV(電気自動車)を所有予定のH様ご夫婦(30代・神奈川県)の事例です。
求めていたのは、
・2台同時に充電してもブレーカーが落ちない配電計画
・深夜電力を活用した効率的な充電
・V2H(Vehicle to Home)で停電時にも安心できる仕組み
という、EV時代ならではの3つのテーマでした。
しかし、検討していた土地は駐車スペースが縦列で、
「充電ケーブルの取り回しが難しい」
「分電盤から駐車場まで距離がある」
という課題がありました。
EV2台の家づくりは、配電・充電位置・動線 の3つを同時に整える必要がある高度なテーマなのです。
後悔しないために知っておきたい3つのこと
1.200Vコンセントは“2口”が基本
2.分電盤の容量と位置が充電ストレスを左右する
3.V2Hは“停電対策+電気代削減”の両方に効く
深夜充電・V2H・配線ルートがつくる“電力計画のジレンマ”
H様ご夫婦は、
・夫婦ともに通勤でEVを使用
・帰宅時間が異なるため充電タイミングがバラバラ
・深夜電力を活用して電気代を抑えたい
・停電時はEVから家に給電したい
という明確な希望がありました。
しかし、EV2台の充電には次のような課題があります。
・200Vコンセントを2口設置すると配電容量が必要
・分電盤の位置によって配線距離が変わり、工事費が上下
・縦列駐車だとケーブルが届きにくい
・V2Hは設置スペースと配線ルートが重要
検討していた間取りでは、
・分電盤が2階にあり、駐車場まで距離が長い
・駐車場が縦列で、奥の車にケーブルが届きにくい
・太陽光パネルを載せると屋根形状の調整が必要
・V2Hの設置場所が玄関横しかない
という問題がありました。
さらに、
「2口にすると工事費が上がる」
「1口にすると充電渋滞が起きる」
という“コストと利便性”のジレンマも存在していました。
充電2口+V2H導入か、1口+時間帯制御か──検討した選択肢は2つ
A:200V×2口+V2Hを導入する
メリット:
・2台同時に充電でき、渋滞が起きない
・停電時にEVから家へ給電できる
・太陽光との連携で電気代を最適化できる
デメリット:
・初期費用が上がる
・分電盤の容量を増やす必要がある
・設置スペースが必要
B:200V×1口+時間帯制御で運用する
メリット:
・初期費用を抑えられる
・配線ルートがシンプル
・分電盤の容量アップが不要な場合が多い
デメリット:
・充電渋滞が起きやすい
・帰宅時間が重なると不便
・V2Hが使えない場合がある
H様は当初「1口で十分では?」と考えていましたが、“共働きで帰宅時間が異なる”という生活スタイルを考えると、2口+V2Hのほうが現実的という結論に近づきました。
マッチングコーディネータの視点!
EVを2台使う前提で考えるなら、200Vコンセントを2口設ける計画は、「同時利用を前提にする」合理的な選択です。
共働きで帰宅時間がずれるご家庭では、充電待ちを前提にしないこと自体が、大きなストレス軽減につながります。
ただし、後から不便が出やすいのは
「2口を設けたあと、同時に使われる状況まで想定できていなかったケース」です。
分電盤の容量や位置、駐車位置とコンセント位置の関係、将来のEV変更やV2H導入の可能性など、同時利用を前提にした条件が十分に整理されていないと、2口あっても「思ったほど使いやすくない」と感じることがあります。
EV対応の施工経験がある工務店ほど、2口を前提としながら、日常の使われ方まで含めて配電計画を考えることを重視しています。その視点が共有できているかどうかが、EV2台時代の家づくりの満足度を大きく左右します。
H様が選んだのは「200V×2口+V2H+太陽光連携」
最終的にH様は、
・駐車場の手前と奥に200Vコンセントを1口ずつ設置
・分電盤を1階に移動し、配線距離を短縮
・V2Hを玄関横に設置し、停電時の給電を確保
・太陽光パネルと連携し、昼間の発電をEVに充電
・夜間は深夜電力で効率的に充電
という計画を選ばれました。
これにより、
「充電渋滞が起きない」
「停電時も安心」
「電気代を最適化できる」
という理想のEV生活が実現しました。
