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平屋の注文住宅~22坪で叶える快適な暮らし方!

「これからの暮らしは、階段のない家でゆったりと」。
そんな想いから、60代のO様ご夫婦は終の棲家として平屋を検討し始めました。

候補地は44坪の整形地。駐車場2台分と小さな庭は欲しい、でも部屋数も減らしたくない…。
限られた敷地で“無理のない平屋”をどう叶えるか、その葛藤と選択肢をご紹介します。

知っておきたいポイント3つ!

・建蔽率による22坪制約と、平屋ならではの広さの限界
・22坪の中で“個室数”と“動線”をどう配分するかの考え方
・収納不足を補うロフト・小屋裏の活用と老後のリアル

平屋の安心と、建蔽率による広さの限界

O様ご夫婦は、以前は2階建ての家にお住まいでしたが、将来を見据えて階段の昇り降りをやめたいと考えました。「掃除も洗濯も、全部1階で完結できたら楽になるはず」と期待が膨らみます。

しかし、44坪の土地でも建蔽率(けんぺいりつ)の制限があるため、建物に使える面積は敷地いっぱいには取れません。計算すると延床はおよそ22坪ほど。「思っていたより小さい…」と図面を見て実感したそうです。

平屋はワンフロアで広く取れる一方、必要な部屋数を入れ込むには面積がシビアになるのが現実でした。

個室を取るか、動線+共有空間を取るか

O様が悩んだのは、限られた22坪を「個室の数」に割くか、「動線や共用空間」に割くか、そのバランスでした。

A:個室数を優先する(例:寝室+多目的室+ゲスト兼用=実質3室)

  •  ・メリット:来客や趣味、在宅医療・介護の将来にも柔軟に対応しやすい。
  •  ・トレードオフ:LDKの広さが限られ、家族で過ごす空間がやや窮屈に感じやすい。
  •          掃除機の取り回しや室内移動の負担が増えることも。

B:動線・共用空間を優先する(例:広めのLDK+主寝室+可変コーナー)

  •  ・メリット:廊下を最小限にして移動距離を短くできるため、掃除や洗濯などの家事がしやすい。
           将来、歩行補助具を使う場面でも安心。
  •  ・トレードオフ:ゲスト室は可変コーナーと兼用(引き戸・可動家具でゾーニング)。
             来客頻度が高い場合はストレスに感じる可能性がある。

その他の工夫:ロフト・小屋裏収納

平屋はどうしても収納が不足しがちで、その対策としてロフトや小屋裏収納で収納スペースを増やす方法があります。ただし、固定階段を設ければ面積を圧迫し、はしごでは安全性が不安。

特に老後を見据えた住まいでは、「本当に自分たちが日常的に使い切れるか」を考えることが大切です。重い荷物や使用頻度の高いものは不向きで、季節物や非常用ストックなど限定用途に絞るのが現実的です。

O様が選んだのは“動線を優先した22坪プラン”

最終的にO様は、B案=動線・共用空間を優先し、LDK+主寝室+多目的に使える可変コーナーという2LDKを採用されました。

「部屋数を確保するよりも、毎日の暮らしやすさを優先したい」という判断から、廊下を最小限に抑えた回遊動線を重視。ゲスト室は専用ではなく、可動家具や引き戸でゾーニングできる空間にまとめました。

また、建蔽率の制約で延床は22坪に限られるため、収納は屋外物置+シンプルなロフトで補い、駐車場2台分と小さな庭も確保。

「すべての希望を詰め込むのは無理だったけれど、将来を見据えて優先順位を整理できた」と納得の決断となりました。

マッチングコーディネータの視点!

これまでの相談で多いのは、平屋を希望される方が“部屋数を優先しすぎて動線が窮屈になる”ケースです。

工務店に伝えるべきは「必須の部屋」と「あると嬉しい部屋」を分けること。
平屋は延床面積の上限がある場合や、面積あたりのコストが2階建てより高くなりやすいため、“すべての希望”を詰め込むのは難しいのが現実です。

老後の住まいとして計画するなら、持ち物を減らし、収納は必要最低限にとどめるといった暮らし方の見直しも、家づくりとセットで考えることをおすすめします。こうした優先順位を事前に整理しておくことで、工務店との打ち合わせもスムーズになり、納得できる平屋づくりにつながります。