建具は、開閉機能だけではなく建物や部屋の内外を仕切り、音や光、暑さ、寒さなどを遮断する役目もありますので、取り付け場所や用途を考えて選びます。
多くの住宅では、建材メーカーが製作している既製品の中から使用する建具を選ぶことが多いようですが、間取りや使い勝手に合せて建具を製作する場合もあります。
なお、戸(建具)のメンテナンスについては、「注文住宅のキホン/建具のメンテナンス」のページをご覧ください。
開閉方式による種類
開き戸
蝶番(兆番)や軸受け金物を回転軸とする開閉方式の戸の総称です。屋外や部屋の外へ開くのを外開き(戸)、逆に屋内や室内へ開くのを内開き(戸)といいます。引き戸に比べて気密性は優れていますが、開閉に面積をとられます。
なお、蝶番(兆番)などで壁に取り付けている方を吊り元と呼びます。
片開き戸
一枚の戸が左右どちらか一方に開閉する戸のこと。90度~180度開きます。
両開き戸(観音開き戸)
2枚の戸が両側へ開閉する戸のこと。左右に90度~180度開きます。
大きな荷物を出し入れする場所や多くの人が出入りする入口に使われます。
親子ドア
大小サイズの扉を組み合わせた両開き戸のこと。
通常は大きい方の親扉を使用し、子扉は大おきな荷物の出し入れの時などに開けます。玄関ドアやリビングドアなとに使われます。
引き戸
レールや溝に沿って横にスライドさせて開閉させる戸のこと。一般的には開き戸(ドア)よりも密閉度が低いが、開閉のためのスペースがいらない利点があります。
片引き戸
1本のレールや溝に沿って、横にスライドさせて開閉させる戸のこと。
引込み戸
戸を壁の中へ引き込む開閉方式のこと。ドアを全開することが可能で、2枚の戸を左右に引き込む戸は大きな開口を得ることができます。
引分け戸
2枚戸が1本のレールや溝の上を左右両方の壁に引き分け開閉する方式のこと。2枚の戸を全開させることができるので、大きな開口となります。
引違い戸
2枚の戸が2本のレールや溝を左右にスライドして開閉する戸のこと。押入れの襖などに使われ、左右どちらからも開けることができます。なお、戸の枚数が3枚の場合は3枚建引違い戸、4枚の場合は4枚建引違い戸と呼びます。
折れ戸
扉自体を折りたたむことによって開閉する戸のこと。
リビングやダイニングの間仕切りや浴室の入り口、クローゼット扉に使われます。
吊り戸
開口部の上部にレールなどを取り付けて扉を吊るし、引き戸のように開け閉めする戸のこと。床面の溝が不要になり、バリアフリーにも適してます。
戸の種類
襖
日本の伝統的な建具の一種で、木製の骨組みの両面に和紙や布を貼り、周りを縁(円)でとめ、引手をつけた建具のこと。「和襖」と「量産襖」があり、和襖の下地は内部に空気層があり、調湿機能がありますが、量産襖の下地は発泡プラスチックや段ボールで調湿機能はあまり期待できません。
片面に襖紙をはり、反対の面に合板やクロスなど張った戸を戸襖といいます。
障子
日本の伝統的な建具の一種で、桟木を格子に組んだ骨組みに和紙を張った建具のこと。襖は光や寒気を遮断し閉鎖性が高いのに比べて、障子を当して柔らかい光を取り入れることができます。
最近では、障子紙にレーヨンや化学繊維などを素材とした破れにくい障子紙もあります。その他、障子の一部にガラスをはめこみ開閉できる雪見障子や障子の下部に腰板をつけた腰付き障子などがあります。
框戸
四周に枠組み材をまわして、戸の重さを支え強度を保っている戸のこと。無垢の板やガラスをはめ込んだ戸があり、玄関などに使われます。
フラッシュ戸
木組の心材の両面に表面材を張った戸のこと。無垢材のドアより反りや狂いがなく、軽いのが特徴です。