千葉県館山市 S邸

信頼関係から生まれた家

家を建てようと思った経緯は?

持ち家は私の夢であり、建てるなら一戸建てと思い続けていて・・・。

結婚当初は2DKの賃貸アパートに住んでいましたが、子供が産まれて、部屋の間取りの悪さから手狭になってきました。

子供を育てるなら、より良い環境で伸び伸びと育てて行きたいと思い始め、希望の地域に土地を購入し、具体的に家作りをスタートさせました。

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当初から建築家に依頼しようとお考えだったのですか?

当初は大手ハウスメーカーで計画をしていました。
ただ、自由設計を謳っている割には間取りの制約が多すぎたり、規格外の事をすると一気に価格が跳ね上がったりなどで、家作りって一体何なんだ?と悩み始め、一旦白紙状態に戻りました。

そんな時、書店で見つけた建築家特集の雑誌を読み漁りました。

そして、『家作りの原点』とは何かについて自分なりに答えを出し、私達家族の夢を叶えてくれるのは建築家だ!と思うようになりました。

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建築家・岡村泰之さんにはどんなご希望をお伝えされたのですか?

限られた予算もあり、家に対してのこだわりたい所、妥協する所を率直に表現し、伝えました。
 
 1.内外装共にシンプルな直線的なデザインで単純な箱型の家
 2.四季を通じて風の流れを感じる家
 3.部屋が明るく、開放感があり、窓の大きい家
 4.キッチンは対面式
 5.無垢の床板、等々
 6.外壁材にはガルバニウム鋼板、等々

岡村さんは、材料の単価や工賃を適正に判断出来るので、安心してお任せ出来ました。

又、後になって義妹が同じ敷地内で美容室を開業することになり、我が家と併せて岡村さんにお願いすることになりました。急な変更にも快く引き受けて頂き、次の打ち合わせ時には基本プランまで出して頂きました。

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実際に生活していかがでしょうか?

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外からのプライバシーを保ちつつ、リビングを中心に各部屋を通して想像以上に光、風を感じることが出来ます。家族の存在も常に感じる取れる間取りにも気に入っています。

そして何よりも我が家に人が集まる機会(場面)がとても増えました。嬉しい事です。
岡村さんには、限られた予算の中でこのような空間を創造して頂き、大変満足しています。

ザ・ハウスを利用しての感想は?

独自の厳しい基準で厳選された建築家の中から自分の要望に合う方を無料で紹介して頂けるサービスは、建築家と一緒に家作りを始めるにあたって、大変心強いシステムだと思います。

ホームページも大変充実していて、事前に登録されている建築家やその作品等を閲覧出来るのは参考になりました。

そして一番のポイントは、ザ・ハウスのコーディネーターの方々が私達の要望・相談を親身になって聞いてくださり、私達家族に最高の建築家を紹介して頂いた事です。本当にありがとうございました。

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これから建築家と家を建てる方に一言

建築家との家作りとは『家を創る』事だと思います。因みにハウスメーカーですと『家を買う』でしょうか。

そこに住まう家族全員の家のイメージを、何でも良いので小さな事から大きな事まで全てぶつけていけば良いと思います。また、限られた予算の中で、こだわりたい所と妥協する所をはっきりさせるのも大切です。

そして、息の合った建築家と出会う事が最大のポイントだと思います。
一番大切な事は建築家、クライアント相互の信頼関係です。フィーリングも大切ですが、『この人と家を創って行く』という信頼感が持てれば、とても素敵な家が完成します。

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はじめにSさんとお話しして、どんなことをお感じになりましたか?

ザ・ハウスで初めてお会いしたときに、ご主人とお酒とおつまみの話で盛り上がったことを記憶しています。建物完成するまでにおいしい焼酎やおつまみをいろいろ教えていただきました。

また、敷地北西角にある槙の大木を残すか、伐採したとしても何らかのかたちで生かしたいとのご要望も記憶に残っています。

結局、切り倒して知り合いの方に引き取ってもらったようですが、土地へのお二人の思いやりを感じました。

ご夫婦お二人とも気さくな方で、楽しい仕事になりそうな予感を感じていました。敷地は、うちで設計しているもののなかでは比較的広く、南側に大きく開くことができ、北側には神社の境内があり、さまざまな可能性を秘めていました。

そのような環境の中で、明るく開放的な住まいをつくりたいとのお二人の願いを最大限にかなえたいと強く思いました。

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具体的にはどのような形でご要望に応えていったのですか?

南側には隣家があるのですが、平屋で距離もある程度離れているので、南側はとにかくめいっぱい開き、北側は、道路を挟んでかなり広い神社の境内があり、北側にも視覚的に大きく開き景観を取り入れることを提案しました。

北側道路は人通りがあるので、道を通る人の目の高さまでスクリーンを立てることで、目隠しし、それ以外は開放し、境内のオープンスペースを有効に活用しようということになりました。

そんなこんなで基本設計が終了しようとしていた頃、奥様の妹さんから隣接する敷地で美容室を開設したいとのお話があり、急遽敷地北側にコルゲートパイプの細長い美容室の計画を始めることになりました。

当初予定していた目隠しのスクリーンの代わりにもなるよう、かつ、美容室と母屋とのスキマの空間が中庭として有効に機能するよう、母屋と一体的に計画を進めました。

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Sさんとのお打合せはいかがでしたか?

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設計打合せは、原則的に事務所に来ていただくことにしており、2週間に一回館山から車でお出でいただきました。ご主人がおおらかに全体を見渡され、奥様が細かいところまで納得のいくまで検討されるという、お二人の絶好のコンビネーションにも助けられながら、雑談も交えて、終始楽しく打合せさせていただきました。

現場に入ると、打合せは全て現場でやりますので、2・3週間に1回スタッフとともに館山に行きました。現場での様々な判断も的確に対応していただき大変助かりました。
館山に行ったら行ったで、近海もののおいしい魚を食べさせてくれる小料理屋、ものすごくおいしい回転寿司屋、味わい深い蕎麦屋など館山のおいしいものを一通りご馳走になりました。

現場の帰りは、館山の海産物のおみやげを電車の中でビールを飲みながら味わうという夢のような現場でもありました。

これから建築家と家を建てる方に一言

数多く住宅の設計をしていると、本当に色々な方とめぐり合います。そんな中で、住まいづくりに成功するセオリーのようなものが最近少しずつ分かってきました。

住まいづくりの参加者は、それぞれ役割を持って住まいづくりに関わっていくと、使命感と責任感が芽生え、おのおのの参加者がほんとうの意味で腑に落ちる住まいづくりができるということです。

夫婦が揃って同じ役割で同じ方向に進んでいくより、お互いに役割を分担して計画を進めていくことで、お互い補い合って住まいづくりを進めることができ、住まい手みんなが納得いく住まいづくりができるように思います。

そういった関係をつくりながら、考えていることを包み隠さず建築家に伝えて下さい。

そうすることによって、住まいづくりの参加者全員が、「クライアントのご家族が末永く快適に幸せに住まうことができる家をつくる」という唯一の目標に向かって、力と知恵を出し合い協力し合える、豊かな住まいづくりができるのではないかと思います。



千葉県館山市 信頼関係から生まれた家
所在地
千葉県館山市
設計
岡村泰之建築設計事務所
施工会社
渡辺建設(株)
竣工日
2005年1月
敷地面積
185.83平米(56.21坪)
延床面積
107.61平米(32.55坪)
撮影
michiho