京都府京都市 T邸

普遍性のあるバリアフリーの家

家を建てようと思った経緯は?

体の不自由な父(脳梗塞により半身不随)の面倒を母が見ていたのですが、両親の高齢化も含め今後の生活に心配な面が出てきていました。

また、実家の老朽化もひどいため、同居・二世帯住宅建築を考えるようになりました。

京都府京都市 普遍性のあるバリアフリーの家

当初から建築家に依頼しようとお考えだったのですか?

京都府京都市 普遍性のあるバリアフリーの家

父の事もあり、車椅子での生活を念頭に置いたバリアフリー住宅が不可欠でした。

ハウスメーカーの住宅展示場を見学し話も伺いましたが、『自由設計・バリアフリー』と謳われていても、実際にはメーカーの規格の範囲内でしか自由が利かない。

家に自分達の生活を合わせる、といった印象を受け、若干の疑問を抱きました。そこで漠然とですが、建築家の方に依頼してみたらどうだろうと考えるようになりました。

建築家・横内敏人さんにはどんなご希望をお伝えされたのですか?

まず、両親の居住スペースは車椅子でも不自由のないバリアフリーであること。玄関の上がり框(がまち)の高さに始まり、廊下やトイレの幅、手すりの位置など事細かに打ち合わせて頂きました。

一方、私達夫婦のスペースについては、自分達の生活スタイルや考え方、例えば、友人を家に招くのが好きなことや、多少高くても長く使えるものを愛用すること、普遍性のあるデザインや自然素材(具体的には木製家具)を好むことなどをお伝えしました。

基本的には、横内さんの過去の設計されたものを拝見し、デザインや家に対する考え方など、ほぼ安心してお任せできる印象を持っていました。

具体的な間取りが決まってからは、細かな仕様や設備について「ダメでもともと、O.K.が出ればラッキー」という気持ちで、次から次へと希望をお伝えしたので辟易されていたかもしれません…。

京都府京都市 普遍性のあるバリアフリーの家

実際に生活していかがでしょうか?

間口が狭く奥行きが深い敷地で、水路や隣家が密接しているという条件にも関わらず、非常に明るく開放的な家が完成し、とても満足しています。

両親の生活もずっと快適になりましたし、何より無垢材のフローリングや珪藻土の壁に木製の建具と、自然素材に囲まれて気持ち良く、遊びに来た友人も寛ぐようです。
ただ当初思った以上に陽の光が入り、窓の多い2階は夏場かなり暑いです。

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ザ・ハウスを利用しての感想は?

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偶然雑誌で見つけたのが、ザ・ハウスとの出会い。利用しなければ、具体的に建築家の方へどのようにしてコンタクトを取り、話を進めたら良いのか分からなかったと思います。

漠然としていた思いを実現する良いきっかけをつくって頂けたと思います。

これから建築家と家を建てる方に一言

まずは自分との感性が合う建築家に依頼すること。

その上でどのような些細な事でも、相談できる信頼関係の構築が大事ではないかと思います。

そのためには自分たちが具体的なビジョンを持つことも必要ですし、時には信頼しお任せするといったことも大事だと思います。

ハウスメーカーと違い、完成までに時間はかかるかもしれませんが、費やした時間の分だけ満足できる家が建つはずです。

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はじめにTさんとお話しして、どんなことをお感じになりましたか?

御主人は大変紳士的な方で、奥様と共にとてもセンスの良いご夫婦、という印象を受けました。

打ち合わせでご自宅の暮らし方を拝見しても、とてもシンプルで、本当に御自分達が気に入った良いものを身の回りに置いて生活をしておられることが良く分かりましたので、新しい家もきっと素敵に使っていただけると思い、安心しました。

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具体的にはどのような形でご要望に応えていったのですか?

御両親と同居することが条件でしたので、二世帯の関係をどのように考えるのかが、大切だと思いました。幸い、御両親と若夫婦の意見が同じで、方針はすぐに決まりました。

また、敷地の南側には隣家が近隣して建ち、陽当たりがよくありませんでした。そこで、北側にある水路の方に家を開放するという、変則的な間取りを提案しました。

それにもすぐにご理解をいただき、案は比較的スムーズにまとまりました。

京都府京都市 普遍性のあるバリアフリーの家

Tさんとのお打合せはいかがでしたか?

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ご両親と若夫婦の仲が良く、お母様も誠に気さくな方で、お打ち合わせは毎回楽しくやらせていただきました。
こちらの提案に対するレスポンスも早く、設計をスムーズに進めることができたと思います。

これから建築家と家を建てる方に一言

家は一生の中で最も高価な買い物ですので、自分達の生活スタイルに合った建築家に設計を依頼しましょう。また、家は何十年にも渡って長く住むものですから、その時々の流行にあまり左右されないほうが良いと思います。流行を追うと逆にすぐ古いものになってしまいます。

時が経ち、自分達と年を重ねていくごとに味わいと風格が増すような家が本当の家のあるべき姿だと思います。

社会や技術が変化しても、人間そのものは太古から大して変わっていない訳ですから、その人間の本質にいつもやさしく働きかけてくれるような家をみなさんも作ってください。

京都府京都市 普遍性のあるバリアフリーの家
所在地
京都府京都市
設計
(有)横内敏人建築設計事務所
施工会社
サクジ工務店
竣工日
2004年12月
敷地面積
205.11平米(62.05坪)
延床面積
163.94平米(49.59坪)