家を建てようと思った経緯は？

当初から建築家に依頼しようとお考えだったのですか？

一戸建てを建てることを決意してから半年間程ですが、ハウスメーカーや地元の工務店などの建物を見学したり、調べたりしていました。いろいろと要望をぶつけてみたり、話し合いを重ねてみたのですが、残念ながら、なかなか思うように話がまとまりませんでした。

結局こうした選択肢では、私たちの「こうしたい！」という思いを家に反映することが難しく、財産に対する考え方の違いも感じましたので、次第に建築家に依頼することを考え始めました。

建築家・内海智行さんにはどんなご希望をお伝えされたのですか？

特に細かい希望などは伝えることなく、土地の持っている特性や、私たち夫婦が住宅に求めている思いを内海さんがコミュニケーションを重ねながら形にして下さったという感じでしょうか。
希望を伝えるというよりは、私たちのライフスタイルを内海さんにしっかり理解していただくために、家のことに限らず様々なお話しをしたという感じだと思います。

実際に生活していかがでしょうか？

ザ・ハウスを利用しての感想は？

雑誌を見て迷わず相談に伺いました。
約半年ハウスメーカーなどと話をし、それに限界を感じていながらも今ひとつ建築家にお願いすることを躊躇していた私たちにとって、いいきっかけになりました。

これから建築家と家を建てる方に一言

是非、一度建築家に相談してみて下さい。
住宅に何を求めるのかは人によって違うと思いますが、それを考えることはとても重要なことだと思います。最初、私たちは長い目で住宅を考えていましたが、もう少し気軽に考えることも必要かなと思い、「今を楽しめるライフスタイルを」と考え方を切り替えてみました。今ではそれが住まいへの満足に繋がったのではないかと思っています。

はじめにYさんとお話しして、どんなことをお感じになりましたか？

具体的にはどのような形でご要望に応えていったのですか？

お二人共それぞれに、ライフスタイルへの確かなこだわりがありました。お互いの考え方を確認しあえるように、プロセスを大切にしながら作業を進めました。

Yさんの敷地は、山深い散策道へ抜ける途中にありました。古寺に接して並んだ住宅の一部をさらに分割した土地は、道際の小さな川を跨いで接道しています。
敷地の数ヶ所には銀杏や桜の木があり、これらの樹木の位置関係は、保存地域、行政指導などの規制によって、建物の配置に大きく影響を及ぼしました。

そこで、屋根の形は枝振りに沿うような勾配をとり、枝があたらないように配慮したぎりぎりの登り勾配の軒下に、それと直行する形で「水平の平屋」を挿入することとしました。また、敷地と建物の間に深くえぐれた部分を設けることで、限られた敷地でも周辺一帯の街並みに共通する奥行き感が得られるように配慮しました。
こうした「敷地の特徴」や「周辺環境との調和」、そしてYさんの「ライフスタイル」を丁寧に読み込んで、スケッチや模型を用いながら、少しづつ形にしていったわけです。

Yさんとのお打ち合わせはいかがでしたか？

個性的なお二人との打ち合わせは、常に楽しかったと記憶しています。

これから建築家と家を建てる方に一言