神奈川県茅ヶ崎市 S邸
家族の思いがカタチになった家
家を建てようと思った経緯は?
実家で暮らしていた妹が嫁いで母が一人になったこと、自分たち家族に子どもが生まれたこと、そして消費税増税が控えていたことなど、いろいろなきっかけが重なり、実家を二世帯住宅に建て替える決断をしました。
当初から建築家に依頼しようとお考えだったのですか?
建築家に依頼することは選択肢の一つとしては考えていましたが、敷居の高さを感じて躊躇していました。
住宅展示場に足を運び、ハウスメーカー数社から提案してもらいましたが、決定には至りませんでした。
こちらが言った通りのモノに近いモノは出来上がりそうだが、これで本当にいいのかな、と。
そんな折、雑誌でザ・ハウスを知りました。知らない建築家の事務所の扉をたたくよりは幾分気楽に相談ができそうだと思い、店舗を訪ねました。
建築家・田井勝馬さんにはどんなご希望を伝えたのですか?
「どのように暮らして行きたいか」ということを突き詰めて、丁寧に伝えていきました。私世帯と母との関係性だけではなく、近所に住むことになった妹夫婦にも今までの実家同様、気軽に来てもらえるように、そして、学生時代からの友人が来ることも多かったので、その点も大事にしていきたいと伝えました。
これらを伝えるために家族で綿密な話し合いをしました。家族との話し合いを通して自分たちの考えを確認できたと思いますし、新たに家を構えて生活をしていくことへの覚悟ができたと思います。
また、田井さんとは取り壊す前の実家で何度も打合せをさせて頂きました。
言葉だけではなく、我々がどういう生活をし、住まう上で何を大切にしていきたいか、ということを受け止めてもらえたのではないかと思います。
実際に生活していかがでしょうか?
大変満足しています。
漠然とこのような生活がしたい、と考えていたことがまさに具現化された、という感じです。
十分に伝え切れていないのではという不安もありましたが、この家がカタチになって現れた時、1年数ヶ月という長い時間を要したことの意味を改めて実感し、大きな感動を覚えました。
ザ・ハウスを利用しての感想は?
田井さんに巡り合わせて頂いたことに、大変感謝しています。本当にいい人に出会えたと思います。
これから建築家と家を建てる方に一言
我々のケースでは、設計に9ヶ月、施工に8ヶ月という時間を要しました。
ハウスメーカーと比べれば時間も労力も相当にかかります。
この時間と労力を惜しまず、家づくりに真剣に対峙し、そのプロセスを楽しめそうなら建築家と家を建てることをお勧めします。
建築家に自分たちの思いを曖昧にせず、妥協せず、諦めず、伝えきることが重要だと思います。どんな家にどんな風に住みたいか、それを明確にするのは自分自身のことであっても大変なことです。
家への思いを家族がそれぞれに考え、共有できたことも我が家の財産となったように思います。
建物について
- 所在地
- 神奈川県茅ヶ崎市
- 設計
- (株)田井勝馬建築設計工房
- 施工会社
- 新都市建設(株)
- 竣工日
- 2014年2月
- 敷地面積
- 309.86平米(93.73坪)
- 延床面積
- 148.85平米(45.03坪)
- 撮影
- 大沢誠一