東京都豊島区 F邸
田舎暮らしの夢が叶った都会の家づくり
建築家として、今回の工務店に依頼することを決定した理由を教えてください。
木の架構を隠してしまう現代の木造住宅の多くは、継手や仕口と呼ばれる柱や梁の接合部分を大工さんの手刻みとはせず、機械で自動的に加工し、金物と釘で住宅を組み建てています。機械は便利ですが、手仕事に比べると高い精度の加工ができない場合があり、大工さんの手刻みの加工技術は現在では貴重です。柱や梁などの木の架構を見せるF邸では、伝統的な継ぎ手や大工さんの手刻みによる加工の技術を求めていました。
今回はザ・ハウスさんに依頼して、伝統的な加工や手刻みができる大工さんと工務店を捜していたところ、3社が手を挙げてくださり、結果的に技術の向上に前向きに取り組んでいる腕の良い職人さんと仕事をすることができました。
見積り内容や実際の打合せ、施工はいかがでしたか?
今回の工務店さんには群馬県にある製材所へ構造材の検品や植木の選定など、細かい対応をしていただき、Fさんも住宅を建てる喜びを味わえたようです。
住宅は建つまではもちろんのこと、建った後も誠意をもって親切に対応していただけるかも重要です。また、そのひとつひとつの積み重ねがクライアントとの信頼関係にも繋がります。今後ともよろしくお願いします。
ザ・ハウスの工務店紹介サービスについて
上記のような特殊な条件にも対応できる工務店を紹介していただけたので、感謝しています。
また、施工中にも何度もコーディネータから連絡をいただけたので、クライアントのFさんも安心されたようです。
住宅を建てようと思った経緯は?
退職後はのんびりと田舎に移住、もしくは都会との半々暮らしを目論んでいましたが、諸事情により30数年住んだ現在の土地に建て直すことにしました。
その土地は東側が道路で、その他の3面を家に囲まれた地形でした。建築家の佐々木さんには難しい注文とは思いながらも、「山小屋風で、天然素材を中心にした寛げる空間」、「光と風の通る住宅」という要望をお伝えしました。
今回の工務店にご依頼を決定された理由を教えてください。
建築家との3者面談を行い、第一印象で今回の工務店にお願いすることを決めました。
この住宅が今あるのは、その後の細やかな打合せのお陰だと思っています。色々とありがとうございました。一緒に家づくりを楽しみ、喜んで下さった棟梁を初め、たくさんの職人さんとの出会いに感謝しています。
住宅を建てる中で特に印象に残っている出来事はありますか?
建築家の佐々木さんとの打合せは実に楽しいものでした。ゆっくり時間をかけて親身に相談に乗って下さり、詳細に渡って工程や材料の説明をして下さいました。群馬県の材木屋さんに行って、伐り出した棟木や梁などの材木の選定から始まり、外壁、内壁、水回り、塗装の方法、設備類の全ての要望を丁寧に拾い上げて下さいました。素人の身で、分からないままに考え得る限りの希望を出したにも関わらず、納得がいくまで丁寧にお付き合い下さったこと、そしてその実現のために期待以上のご提案をして下さったことに心から感謝しています。
棟上げ式は文字通り「感動」でした。今まで何回か自宅や工場を建ててきましたが、住宅を建てることがこんなに感動を伴うものとは思いも寄りませんでした。
建築家との出逢い、最高の技術と素晴らしい人柄の棟梁・工務店との出逢い、すべてに感謝をしています。 天然素材の住宅との末長く、楽しいお付き合いは始まったばかりですが、住み心地の良い安らぐ空間で、まさに「可能性の住宅」になっています。ありがとうございました。
実際に生活していかがでしょうか?
季節の移ろいを肌で感じることができる家です。冬の日射しは短いですが、家は最高に暖かくて気持ちがいいので、自然と早起きになりました。ベランダに設えた椅子に座って日なたぼっこをしながら、季節ごとに変わる日射しや時間の変化を楽しんでいます。
朝一番には「朝飯前のひと仕事」と称し、ベランダや小さな庭を回っては、水やりや剪定をして「ミニ田舎暮らし」を満喫しています。 庭のブルーベリーが実を付ければ自家製ジャムで食卓を彩り、育てたハーブを摘んでお茶をいただいたり・・・。そして季節ごとに庭に咲く水仙、バラ、山アジサイをさりげなく活ければ、さながら山暮らしの様な雰囲気です。
建物について
- 所在地
- 東京都豊島区
- 取材協力
- (株)ケンアンドスタジオバンガード(設計監理)
- 敷地面積
- 93.40平米(28.25坪)
- 延床面積
- 80.05平米(24.21坪)
- 竣 工
- 2010年12月
- (掲載
- 2011年9月)