神奈川県藤沢市 N邸
導かれるように出会った運命的な工務店との家づくり!
住宅を建てようと思った経緯は?
まず一戸建てを持ちたいと思うようになったのは6、7年くらい前からだったと思います。アパート暮らしでしたが、マンションは絶対嫌で将来的には一軒家が欲しいなと。しばらくは安価な中古物件探し、それも掘り出し物件探しに明け暮れました。相当な数の物件を見ました。しかし欲しい物件のイメージもなくただ突っ走っただけでしたので、当然気に入った物が見つかるわけもなく、時間ばかりが過ぎ、すっかり疲れ果ててしまいました。
一度出直しをしようと、資金貯蓄のつもりで2、3年ほど物件探しから離れたのですが、その間に思ったのは、我々には中古物件では住みたいイメージが湧いてくるようなものは結局一つもなかったのだから、やはり自分たちで土地を探して、自分たちの好きなナチュラルモダンの住宅を建てよう、ということでした。
変な話ですが、昨年、知り合いの勘(霊感?)の強い方から「今の時期には良い土地が見つかるし、良い出会いがあるはずだよ。探し始めてごらん」と背中を押され、本当に不思議なことに、探し始めた途端に意中の土地が見つかったのです。
しかし、この時点ではまだ依頼する工務店がまったく定まっていませんでした。
当初から工務店に依頼しようとお考えだったのですか?
はい。
今まで試行錯誤してきた経験から、住宅を建てるまでの様々なことに対してすっかりこだわりが強くなってしまったので、建売住宅や大手ビルダーの定型だけの住宅は欲しくないと思っていました。
どんなことをして、どんなものを使って建てるのかなど、仕事を見ることができる地元の工務店がいい。それは夫婦一致した考えでした。でも、建築家設計の住宅も興味が大きかったので、そう思って何人かの方に会ったり電話で尋ねたりもしました。結局、資金的に合わず、かえって潔く工務店に気持ちを向けられました。
工務店にはどんなご希望を伝えたのですか?
間取りの少ないシンプルな内部とさっぱりとした外観、空気が気持ちよく抜けるような自然素材を使った開放感のある住宅。そして「薪ストーブ」を家の暖房の中心とシンボルに据えたかったので、それが機能する造りであるように希望していました。そして、私が鍼灸師なので、自宅治療室として兼用できる客間を人が集いやすいような感じで作って欲しい、と伝えました。
資金的には土地代金で想定以上にずいぶん使わざるを得なかったので、この金額まででお願いしますというものは伝えてありました。
決めた理由はいくつもありますが、一番にあげるなら、設計担当の方との不思議なご縁での結びつきでしょうか。
もちろん、その方の設計したナチュラルモダンデザインに一目惚れした事もありましたし、明確な提案力、微細に入るほどの豊富な知識量は今まで出会った方々を圧倒していました。そんな方なのに建築士のような高額の設計監理料がかからない(笑)。それだけでも十分。
でも、やはりこのご縁が決め手でした。実は美容師の古い友人から「以前から何かにつけ修理してくれる方がいて、その人は良いと思うよ。建築家のお客さんもその人を知っていて仕事ぶりを認めてるよ。」という話は聞かされていました。
土地探しと並行して人に紹介を受けたり、他社の紹介サービスも利用したりして、何件も工務店さんとお話はしました。でも何かピンとこない。気持ちがどん詰まりになっていた時、たまたまインターネットでザ・ハウスのサイトを見つけ、軽い気持ちで、工務店ナビに情報を依頼しました。
紹介された工務店さんの中に依頼を決めた工務店がありました。偶然にも担当してくださった方が、まさに友人から話を聞いていた方だったものですから本当に驚きました。
見積り内容や打合せ、施工はいかがでしたか?
当初の見積もり金額は私たちの考える金額より高く、契約できるか本当に不安でした。
打ち合わせを始めた頃、私は新規事業の準備の真っ最中で、平日の帰りは遅く土曜日も仕事なため、打ち合わせは日曜日に集中。贅沢を言ってはいけませんが、もっと時間が欲しかったです。先方の施工例を見たり、設計者と話をする時間そのものを多く確保して、雑駁なイメージを自分達なりにもう少しまとめてみたかった。それでも私達のためにサッシや照明、水周りなどのショールームに色々と連れて行って下さり、家のイメージを分かり易くまとめてくれる努力をしてくれました。
担当してくださった方は住宅全体の形から俯瞰して見るように、私達の意見に耳を傾けながらも、あれは合わないでしょうとか、こっちはこうするともっと広く感じるとか、率直な意見を述べてくれました。それでいて、有用な我々のアイデアはちゃんと施工に取り入れてくれました。
また金額的に無駄を省けるところは施主施工や購入を薦めてくれたりと、少しでも安く抑えられるようにといろいろな知恵をいただきました。
工期の最後に来て、希望した食器棚の収まりが10センチメートルほど合わず、一部の壁まで工作する部分工事。ウッドデッキの床材の張る方向を間違えていてこれも再工事と、ちょっとだけケチがついてしまいましたが、今までミスも事故もなく進んで来ていたのでこれはご愛嬌。過ぎてしまえば良い思い出です。
色々な職方のお仕事も拝見しましたが、みな仕事の作法が整い、道具の扱いもきれいで、荒っぽくない。仲間内がみな仲が良く、職方同士の意見の疎通がスムーズで、私の子供達にも親切に接してくれるなど、見ていて安心することが出来ました。
110年続く会社であることは途中で知りましたが、長く続くにはそれなりの理由もあるんですね。良い工務店さんを選べてよかったと、工事中の現場を見ながらも、そして住んでいる今もつくづく思っています。
実際に生活していかがでしょうか?
良いです。快適です。 南面に広がる1間半の開口の大窓。その上に高く広がる吹き抜け。風の抜けもよく、日差しは夏冬とも程よい頃合で注いでくれます。薪ストーブも玄関の位置に我が家のシンボルとして鎮座し早速活躍しています。
中身も外見もスーッとしてシンプルだけど華奢な感じではなく、がちっと丈夫そうな造りになっていて、一緒にいてホッと安心できる空間という感じです。一つだけ難を言えば、電気のスイッチの位置配分をもう少し考えれば良かった。夜に点けたり消したりするのに未だに不便を感じる箇所がいくつかあります。それ以外は何にも不満はありません。本当に大好きな住宅です。
ザ・ハウスを利用しての感想は?
何気なく立ち寄ったサイトで、しかも初めて耳にする名前。いぶかしげに半ば遊びで紹介サービスに情報を送った私の、良い意味で期待を見事に裏切り、親切で誠意ある対応と、思いも寄らないご縁まで引き寄せてくれました。
知名度が高くないのがあまりにもモッタイナイ。
(私が知らなかっただけでしょうが・・・)
建築家の施工もいいなと迷っていますと言ったら、それはこの資金では無理です、とバッサリ切ってくれたザ・ハウスの担当スタッフ。お陰で余分な迷いも残らず、一つの工務店に絞り込むことが出来ました。本当に感謝しています。
これから工務店と住宅を建てる方に一言
まず、いい住宅を建てるならお金はかかります。評価の良い土地はやはり他よりも価格も高い。なのに私達は土地にお金を使い過ぎました。それで合計予算からみて、家に思い切りお金を投入できなかった。
何にどれだけ使うか、私のような素人には額面が大きすぎると混乱して、冷静な判断が出来なくなっていました。
だからこそ、工務店にせよ建築家にせよ、土地探しや予算調整にしても身の丈にあった物を見つけ出すための協力を惜しみなくしてくれる人達を探すべきです。
建物について
- 所在地
- 神奈川県藤沢市
- 敷地面積
- 127.77平米(38.65坪)
- 延床面積
- 101.5平米(30.7坪)
- 竣 工
- 2010年8月
- (掲載
- 2011年1月)