神奈川県川崎市 「鷺沼の家」
ギャラリーのあるスキップフロアの住宅
工務店との家づくり
まちづくりの仕事をしながら、写真家としても活動している私が求めた住宅は、
地域に、そして家族に開かれた空間を備えた住宅でした。
そして、そんな家づくりに付き合ってほしい設計者は、一級建築士の資格を持ちながらも設計の仕事をしていない私を理解してくれる、建築家・間々田好博氏と決めていました。
その結果描かれたのが、ギャラリーのある、スキップフロア住宅でした。
間々田氏との設計作業と並行して、工務店探しが始まったのですが、工務店のホームページを拝見したり、住宅フェアに足を運ぶなりして工務店を探していました。
そんな中で、ザ・ハウスのホームページにも出会うこととなりました。
ポイントは工務店として家づくりに対する確固とした考えがあり、
そのスタイルが私と間々田氏の考えに合うかという点です。
相見積りを行うにあたって、
ザ・ハウスから紹介いただいた今回の工務店さんにも参加をお願いしました。
請負価格も大切なことですが、
今回の家づくりを本当に理解していただけるかが重要なことです。
参加いただいた工務店さんすべてにお会いしてお話を伺い、お考えを確認しました。
そして、すべての工務店さんにお渡しした『「鷺沼の家」物語』※のレポートへの理解が大きな鍵となりました。
その結果、家づくりを任せることにしたのが今回の工務店さんであったということです。
※k様が家づくりにあたり、この住まいの完成後の想いを事前に物語化したもの。
見積り内容や実際の打合せ、施工はいかがでしたか?
工事が始まってからは、土曜日が定例会の日となり、私は毎週現場に行きました。
施主が定例会に顔を出し、建築家と一緒に話をするのは、
工務店としてはやり辛かったと思います。
工期が延びたことや、設計通りに施工が進んでいなかった部分があったことなど、いくつか不信を抱きかねないこともありましたが、
常に現場を見続けていたことで、工務店さんが苦労してきたことも目の当たりにしています。
それ故に、誠意を持って対応していただいたことにはとても感謝しております。
工事は組織という「会社」が対応しますが、仕事は「人」が行うものです。
今回の家づくりに対応していただいた工務店さんとともに、
現場を受け持っていただいた内田さん、江原さん、根津さん、そして大工の岡部さんをはじめ、
この現場にかかわっていただいた多くの方々に感謝したい気持ちでいっぱいです。
ザ・ハウスの工務店紹介サービスについて
住宅をつくることは、住宅メーカーや工務店という設計施工一環体制が主です。 そんな中で建築家の設計を進んで請け負い、理解を示す工務店は少ないのです。
ザ・ハウスは、家づくりの様々な流れを多様にとらえて、
設計を切り離して、施工する工務店を紹介してくれるという素晴らしいシステムをお持ちです。
この工務店紹介サービスに巡り合わなければ、
今こうして、こんな形で「鷺沼の家」は完成していなかったはずです。
施主、建築家、工務店のコラボレーションの結果として、出来上がった住宅を眺めながら、
本当に良い工務店をご紹介いただいたと感謝しております。
これもまた、世の中の大きな流れの中の「縁」だと思わざるを得ません。
今回の家づくりの流れは、
すべて私のブログで紹介しております。
よろしければご覧になってみてください。
入居した今も「鷺沼の家」物語は続いて行きます。
(<a href="http://nkoshiba.cocolog-nifty.com/blog/" target="_blank">http://nkoshiba.cocolog-nifty.com/blog/</a>)
この記事をご覧の方にも、日本でたったひとつの住宅を創るお手伝いができればと思います。ご希望であれば、いつでも住宅内部をご案内いたします。
建築家からのメッセージ
―住み手、設計者、工務店。三者が各々の立場を超えて、ひとつの家づくりをしよう―
この、理想ともいえる家づくりが実現できたのは、住み手自身が建築士であり、行政の立場でまちづくりを行っているといった事情によるものと言えます。
現場での打合せは、毎週土曜日。もちろん住み手参加です。
最大のメリットは住み手が家づくりの様子を身近に見、悩み考えることができること。
見えすぎて、余計な心配をしたり、それが不信感に発展したりすることもあるかも知れませんが、住み手家族がこの理想の家づくりを続ける上で、欠くことのできないものを得られたものと思います。
また、打合せ時間が長くなる、現場の進捗と打合せ内容にずれを生じる、三者の立場を超えてと言っても、お互い言い難い事もある、など不都合なこともあるでしょう。
しかし、こうしたことはデメリットと考えるべきものではなく、住み手参加の家づくりを進める上で克服すべき事なのです。
その皆の頑張りで、私が家づくりでめざしている「居心地のいい住宅」ができました。
「ご家族の皆さんご苦労様です。手づくりの味には感心しました。」
この「鷺沼の家」の今後を、工務店さんと共に支えて行きたいと思います。
建物について
- 所在地
- 神奈川県川崎市宮前区
- 取材協力
- 間々田好博/(株)空間工房(設計監理)
- 敷地面積
- 126.03平米(38.12坪)
- 延床面積
- 120.58平米(36.47坪)
- 竣 工
- 2007年3月
- (掲載
- 2007年7月2日)