千葉県浦安市 K邸
お気に入りの場所が見つかる家
家を建てようと思った経緯は?
10年前にローンで中古住宅を購入して住んでいました。「中古住宅もアレンジすれば住みやすくなる」と思ってリフォームしたものの、やっぱり「どこかが違う」と感じていました。
その家は、親には相談せずに自分たちで購入を決めたのですが、住み始めると冬の日当たりがいまひとつだったり・・・。親も過去に家を持った時に失敗した経験があったので「相談しておけば良かったな」とちょっと後悔もしました。
ある日、妻が「引っ越そうか」とポツリ。家にいる妻は、僕以上に不満が多かったのかもしれません。そんな折、東日本大震災が起こり、浦安市も液状化で被災しました。我が家も傾き、床は波打ち、壁にはヒビが。どうにか住んでいましたが、思い切って新しい家を建てることにしました。
当初から建築家に依頼しようとお考えだったのですか?
中古住宅を買った時には、自分たちに合うように少しずつ部屋の雰囲気をアレンジしていましたが、なんだかしっくりこない。そのうち「どうせ家を持つなら自分たちが家に合わせて工夫するのではなく、自分たちに合う家に住みたい」と思うようになりました。
建築家にお願いしたいと思ってはいたのですが、当時の自分たちにとって「建築家」はなんだか敷居が高かったんですよね。
建築家・岡村さんにはどんなご希望を伝えたのですか?
他のお宅のケースでは、ご夫婦で熱心に打ち込む趣味があったり、コレクションがあったりと、ヒアリングしがいがあったと思うのですが、自分たちは漠然と「とにかく日当たりのいい家」をお願いしました。それと「液状化対策」。
岡村さんは、熱心に液状化対策の情報を集めてアドバイスしてくれました。打合せは回を重ねていくうちにどんどん楽しくなって、バスルームのことや収納、妻のこだわりのキッチンまわりについてリクエストしていきました。
すごく面白かったですね。
実際に生活していかがでしょうか?
快適です。日当たり抜群だし、風も心地いい。お風呂も開放的でリラックスできます。子供たちは二階の廊下のベンチがお気に入りの場所のようで、いつもそこでテスト勉強やパソコンをやっています。
僕が一番気に入っているのは「夜」。我が家には外に面した窓がないのでカーテンがありません。でも、吹き抜けから空が丸見え。満月の夜に電気を消して二階の寝室へ行こうとすると、月明かりで空も部屋の中もとても明るくて、ちょっと幻想的な空間になります。
「夜って、こんなに明るかったんだ」ってことを、この家に住まなかったら気付くことはなかったと思います。本当に気に入ってます。
ザ・ハウスを利用しての感想は?
建築家って敷居が高く感じると思います。どうコンタクトとっていいかわからないし。二の足を踏んでいたとき、妻がザ・ハウスをインターネットで見つけてきて「ここから一歩踏み出してみるか」とお伺いしました。担当の方が自分たちと同じ目線で対応してもらえてありがたかったな。
「こちらの立場に立って考えてくれている」という思いが伝わってきたんです。引き渡しの日には久々に担当の方が来てくれて「ずっと心配していたんです。震災からのスタートでしたから」って言われた時には感動でしたね。ありがとうございました。
これから建築家と家を建てる方に一言
最初の段階では、家づくりは知らないことばかりなので、漠然とした要望しかないかもしれないですよね。だから、思い付いた時に思い付いただけの要望を出してもいいと思います。建築家の方も、それにすぐ応えてくれるし、違った角度からの提案をしてくれます。
遠慮のないコミュニケーションが、すごく住みやすくて後悔のない家づくりのための鍵だと思います。
手間もかかりますが、夢を膨らませて楽しんでください。
建物について
- 所在地
- 千葉県浦安市
- 設計
- 岡村泰之
- 施工会社
- (株)山菱工務店
- 竣工日
- 2012年10月
- 敷地面積
- 127.66平米(38.62坪)
- 延床面積
- 109.02平米(32.98坪)
- 撮影
- 田伏 博