東京都足立区 S邸
フレキシブルな空間を持つ家
家を建てようと思った経緯は?
両親、夫婦、子供2人の三世代で同居しておりましたが、家屋の老朽化や子供も大きくなり生活に不便を感じるようになったことから家作りを考え始めました。
また、両親や子供達のことを考えると住み慣れた場所の方が良いだろうと今の場所で建替えすることを決めました。
当初から建築家に依頼しようとお考えだったのですか?
以前から雑誌やTVなどで建築家とつくったこだわりの家やそこでの暮しを楽しむ人達の姿を見て「自分も」と漠然とした想いを持っておりました。
計画段階では、大手ハウスメーカーの安心感も捨てきれずにモデルハウスを見て回ったり、いくつかのプランも提示してもらいましたが「家を買う」という感覚に近く、自分達らしい暮らしができると思えるものではありませんでした。それは、かえって建築家にお願いしたいという自分の気持ちを確かめることになりました。
建築家・田井勝馬さんにはどんなご希望を伝えたのですか?
良い意味で「曖昧さ」のある家にしたいとお伝えしました。
・個室ではなく「ゾーン」や「スペース」にして思いのままに利用できること
・生活の変化とともにフレキシブルに変更できること
・内と外を緩やかに繋ぎ生活空間の一部として利用できること
など、けして広くない敷地に三世代で暮らすための工夫をご提案していただきました。
また、今の生活の中で「気に入っていること」と「変えたいこと」を箇条書きにしたり、具体的なイメージが伝わりやすいように、住宅雑誌の切り抜きや購入インテリアのスクラップをお見せしながらお話しをしました。
実際に生活していかがでしょうか?
親世帯と暮らす難しさから当初の計画を変更せざるを得ないこともありましたが、柔軟にご対応いただき、最終的には家族みんなが納得できる家になったと思っています。
実際、自然と家族が集まることが多くなり会話も増えた気がします。
子供達はリビングやダイニングなどその日の気分で気ままに遊んだり勉強したりと、場所を限定しないことで色々な使い方をしています。
ふとしたとした時に感じる空間の居心地の良さは間違いなく「家を建てて良かったなぁ」と思える瞬間です。
ザ・ハウスを利用しての感想は?
「寄り添って、そっと背中を押してくれる存在だった」という感じでしょうか(笑)
どのように進めたら良いかわからない状態であったにもかかわらず、我々の「迷い」を客観的に整理しながら的確なアドバイスをしていただけたと思います。
田井さんにお願いすることになったのも「とりあえず話を聞いてみます?」の一言からでした。
決して押し付けではない丁寧なご対応にとても感謝しております。
また、検討を進める中でホームページに掲載されている情報も大変参考になりました。「住宅実例集」や「家づくりの知識」は毎日のように見ていた気がします。
これから建築家と家を建てる方に一言
「どのように暮らしたいか」を考えながら1つ1つ作り上げていく建築家との家づくりは非常に楽しいものです。
毎回ワクワクしながらの打ち合わせ。週末はインテリア探し。少しずつカタチになっていく現場へお邪魔して…と、忙しいながらも充実した毎日でした。
実際に、家が完成する頃には嬉しさと共に寂しささえも感じていました。そんな楽しい家づくりを是非皆さんにも味わっていただければと思います。
建物について
- 所在地
- 東京都足立区
- 設計
- 田井勝馬建築設計工房
- 施工会社
- 成幸建設(株)
- 竣工日
- 2010年6月
- 敷地面積
- 83.19平米(25.16坪)
- 延床面積
- 133.33平米(40.33坪)