※この記事は、実際にザ・ハウスに寄せられたご相談を再構成したものです。
ケース
建築家と家づくりを進めています。
先日、基本プランの変更を希望したところ、建築家から、すでに実施設計に入っているのでこれからのプラン変更は有料になると言われてビックリしました。
建築家と設計監理契約をした際の契約書の中で、「基本設計から実施設計に進むときには、双方確認の上書面を交わす」となっていたのに、それを履行しないまま建築家は実施設計に入っていたのです。
書面を交わしていないので、それはおかしいと意見したところ、「契約書ではそう謳っているけど、今まではお客様との信頼関係で特に書面を交わすことなくやってきた」と説明をされてしまいました。
解説
建築家の中には契約書に無頓着な方もいて、内容も確認しないままに建築士会などで配られている書式を使っている方も少なくありません。
一昔前までは、建築家に依頼する建て主は口コミによる限られた方がほとんどでしたので、契約よりも信頼関係を重視する建築家も少なくなく、いい意味でも悪い意味でも「是々非々」になる場合があります。
本来はあってはならないことですが、その建築家もこれまでは厳密に履行しなくても特に大きな問題が生じなかったので、そのような答えをされたのでしょう。
しかし、約束は約束です。「書面で確認」とまで堅苦しくすることが必要かどうかは別にしても、建て主が一つ一つ納得しながら次の段階へ進める権利を建築家が無視することはよくありません。ましてや契約書に明記されているわけですから、基本設計に戻っても追加料金を払う必要はありません。
逆に、あまりそのあたりに頓着しない建て主もおり、建築家としても建て主毎にどこに気を配らなければいけないかが分からないということもありますので、建物のことだけではなく、プロセスや打合せの進め方、どういうところに気を配って欲しいかといったことについても擦りあわせをした上で契約を交わすことが大切です。