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ツーバイフォー工法(2×4工法)

ツーバイフォー工法は、北米で開発された工法です。基本となる構造材のサイズが2×4インチであることからこのように呼ばれます。現在では2×6インチなど、他の規格も含めて木造枠組壁工法の通称としても使われています。

この工法は、日本の木造技術者の質、量の不足や国産材よりも大量伐採される輸入材の方が安価であるという木材供給事情の変化によって、住宅の工業化や合理化を促すことが期待されて北海道を中心に広まってきました。

構造

軸組工法が線材で支えているのに対し、柱がなく床や壁、天井の6面を面材で構成する工法です。2×4材の他に2×6材、2×8材、2×12材、4×4材なども使われています。
床、壁、天井の各部位が独立して作られるために、気密性、断熱性に優れたものが造りやすいことが特長です。ただし、床と外壁、外壁と間仕切壁などの部分で防湿シートが切れてしまうため、各取り合い部での留意が必要です。

耐震性

床や壁の面で支える箱型構造であり耐震性、耐風性にも優れます。構造用合板などの合板類を壁の下枠から上枠まで一杯に貼り、規定の間隔で釘を打った壁を耐力壁といいます。必要な耐力壁の量を満たしつつ、バランス良く配置することが大切です。
また、耐力壁線に設ける開口部の寸法など、構造に細かくかなりの法的制限がある中で設計されるため、安全性が保証されているともいえます。

耐久性

鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比較すると短く、一般的には約30年位で大規模な修繕が必要と言われています。また、湿気に弱いため、防湿、防腐、防蟻処理が必要です。

施工性

工場で生産された規格材をマニュアル化された施工方法で施工し、部材の種類が少なく接合部も簡単なつくりのため、職人の技量に左右されにくい施工性の良い工法です。従って、施工による品質のばらつきが防げます。

断熱性

断熱・気密施工のしやすいツーバイフォー工法は、断熱性に優れています。
ただし、内部と外部の温度差が大きくなるため、結露が生じやすくなり、カビやダニが発生しやすい環境となるので、結露対策が必要です。

遮音性

気密性が高いので、遮音性に優れています。
逆に気密性が高いために家の中の音が外へ逃げず、音が反響することがある場合は、防音・吸音対策が必要です。

自由度

設計に一定の制約を受けるために、在来工法に比べて間取りの自由度も低く、開口部の大きさにも制限を受けます。

工期

規模や条件によりますが、約4ヶ月程度です。合理的なつくり方で工期が短いことが特長です。

コスト

比較的安価で、平成16年度の住宅金融公庫の調査では全国平均603,042円/坪となっています。在来工法の約1.1倍程度です。
在来工法と同様に、構造体が軽いため地盤への負荷が少なく、地盤改良などの費用も抑えることができます。

火災保険料

ツーバイフォー工法の住宅は省令準耐火構造であるため、火災保険料が一般的な木造住宅に比べて割安です。

増改築のしやすさ

壁面の量とバランスで建物を支えるため撤去できない壁があり、間取りの変更などは制限されます。
特に、ハウスメーカーの住宅では独自に改良し、工法の内容を公表していない場合もあり、どの壁を外しても良いか分からないために増改築がしにくい場合もあります。

2×4工法と2×6工法の違い

基本となる構造材のサイズが次のように異なります。サイズの違いにより、壁内寸法が、2×4工法に比べて2×6工法は約1.6倍となります。

・2×4工法・・・38mm×89mmの木材

・2×6工法・・・38mm×140mmの木材

2×6工法は2×4工法に比べて耐震性や気密性が高いことなどから、大手ハウスメーカーでは2×6工法が主流になりつつあります。

2×6工法のメリット

①耐震性
2×4工法に比べて構造材の断面が大きいので、耐震性がより高い。

断熱性・気密性
2×4工法に比べて壁厚が大きくなるため、より厚い断熱材を装填することができるので、断熱性・気密性の向上が期待できる。

③工期短縮
2×4工法同様、合理的なつくり方で工期が短いことが特長です。

2×6工法のデメリット

2×4工法同様、在来工法に比べて間取りの自由度が低く、開口部の大きさにも制限があり、増改築がしにくいといったデメリットがあります。