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伝統工法

日本の社寺建築や近世の民家から始まり、世界遺産の白川郷の合掌造りなど地域ごとの気候風土に合わせて独自に発展してきた工法です。太い梁や柱などをあらわし、構造躯体そのものに魅力があります。

構造

柱と梁で構成される軸組工法です。柱や梁の仕口や継手といった接合部分に釘やボルトなどの金物を使わず、ほぞや込栓といった楔のようなものを隙間に打ち込んで接合し、木だけで骨組みを構成します。これを木組みといいます。

柱には貫(ヌキ)という水平材を貫通させて柱と梁を繋ぎ、土壁を塗る下地となる竹を固定します。 現在では金物を全く使わずに建てられる家は大変少なく、補強として金物や筋かいを使用しても伝統工法と呼んでいる場合もあるようです。

耐震性

地震力が加わったときに、壁は土壁が崩れることで力を分散し、骨組みは傾いても元に戻る粘り強さを持っています。今でいう免震構造に近い形といえるようです。
建築基準法の仕様規定には金物を使うことなどが義務付けられていますが、性能規定により実験結果を元に構造計算し強度を実証すれば、伝統工法でも建築確認の許可が下りるようになりました。

耐久性

耐久性は良いといえます。
構造体の多くがいつでも見える状態にあるため、痛み具合に合わせて修復が容易で、世代を超えて家の寿命を延ばすことが可能です。

施工性

熟練した技術に頼る工法のため、依頼先による施工技術の差が大きく、施工性が良いとはいえません。現在では技術の伝承が難しく、技術や知識に精通した大工が大変少なくなっています。

自由度

太い柱や梁で、大きな間口や空間をとることが可能です。

工期

規模や条件によりますが約12~18ヶ月となります。木材の加工を機械で行うのでなく、大工の手間で行うため、他の工法に比べて工期が長くなります。

コスト

長さや太さのある品質の良い国産材を使い、腕の良い大工による施工のため、合板などを使用する現在の在来工法に比べて約1.2倍以上と、割高になります。
良質の国産材の流通が少ないことや腕の良い大工が減少していることもコストアップの一因です。

増改築のしやすさ

比較的、増改築に対応しやすい工法です。
また、最近では民家の移築や古材の再利用など、材料の良さを生かし積極的な活用がされています。